◆◇九州温泉巡り旅行記◇◆
阿蘇-長湯温泉-黒川温泉
「お食事処」と「ゆ」と両方が染め抜かれたがね政・
宝湯の暖簾
個人のお風呂道具のようなプラスチックの網籠に入ったボトル式のシャンプーとボディーソープをお借りして、廊下の先の浴室へ。
お風呂は脱衣所から階段を二段ほど降りたところにあって、四角い浴槽が窓際を占領している。
角に無造作にコップを乗せたたこつぼのようなものが付いていて、そこからドバドバと凄い勢いでお湯が出ている。
お湯は既に浴槽の2/3ほど溜まっていたが、見ている間にどんどん水位が上がる。
そんなに大きなお風呂ではないが、この勢いは素晴らしい。
お風呂のすぐ横、広く取られた窓の外は小ぢんまりとした庭園かと思わせたが、矢印はそこに露天風呂があることを示している。
も、もしや・・・
そうだった。窓かと思ったガラスは引き戸になっていて、庭園の池みたいに見えたのはお風呂だった。何だか笑っちゃう。
露天風呂の方は後から入れ始めたのか、まだあまりお湯が溜まっていなかった。
お湯の温度は比較的ぬるめ。手で湯口近くのお湯に触っても平気。
お湯の色は無色透明なのかもしれないが、琥珀色にも見える。
さらさらとしていそうで、肌触りが少しべたつく感じ。
お風呂の縁が石なのにお湯の成分のせいでまるで金属みたいな質感になっているのが興味深い。見た目の色も金属っぽい。
浴室の貼紙にもあるが浴槽の底に少し黒い砂があって足元が時々じゃりっとする。
たこつぼ型の湯口に乗っていたコップで、お湯を少し飲んでみると甘じょっぱい出汁味で結構おいしい。
露天風呂も入ったけどまだお湯が溜まり切っていないのと、少し小雨がぱらついたのですぐに内湯に戻ってしまった。
ぬるめのお湯は後を引く。
このお風呂を独占している贅沢感を誰かに伝えたいくらいに勿体ない気分。