◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
糺の森の終わり辺り、右手にまた鳥居が見えた。
下鴨神社境内にある摂社らしい。
はためく幟には「日本第一美麗神 河合神社」とある。日本で一番みめうるわしい神という文言に惹かれて寄っていくことにした。
さて、河合神社の祭神は神武天皇の母神 玉依姫命(たまよりひめのみこと)である。
ここであれ?と思う。
下鴨神社本殿に祀られている祭神も玉依媛命(たまよりひめのみこと)、下鴨神社摂社の河合神社に祭られている祭神も玉依姫命(たまよりひめのみこと)。
しかも同一人物とすれば父親が違う。
下鴨神社の玉依媛命(たまよりひめのみこと)の父は賀茂氏の始祖 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)で、河合神社の玉依姫命(たまよりひめのみこと)の父は綿津見神(わたつみのかみ)という海の神。
ちなみに海神の娘の玉依姫命(たまよりひめのみこと)の方は海幸彦・山幸彦逸話でも知られている。
兄の海幸彦に借りた釣針を無くしてしまった山幸彦は海神の宮殿を訪れ、失った針を見出すとともに海神綿津見神の娘の豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)と知り合い結婚する。
山幸彦と豊玉毘売命の息子がウガヤフキアヘズ。
ウガヤフキアヘズの面倒を見て後にウガヤフキアヘズと結婚したのが豊玉毘売命(とよたまひめ)の妹の玉依姫命(たまよりひめ)。やっとこれで玉依姫命(たまよりひめ)までたどり着いたぞ。
山幸彦は実は天照大神の曾孫であり、その子のウガヤフキアヘズの子は神武天皇、すなわち日本国の初代天皇であらせられる。
つまるところ河合神社に祀られる日本一の美麗神 玉依姫命(たまよりひめのみこと)という神様は、初代天皇の母君ということになる。
なお、縁起には河合神社の祭神と下鴨神社の祭神は同じ神々であるという意味を表す鴨河合坐小社神社と記されているようで、その意味するところが両神社の「たまよりひめのみこと」が同一神で、天皇家の始祖が賀茂氏だと言いたいのかどうかまでは私には判らない。