◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
平安神宮は794年京都に遷都した桓武天皇と、明治天皇の父であり京都を都とした最後の天皇である孝明天皇を主祭神として祀る神社だ。
京の都の創始と終焉、まさに古都千年そのものを表すような神社だ。
といっても神社そのものとしては古い歴史は無く、明治時代の内国勧業博覧会に記念事業として平安遷都時代の大内裏を模して造られたものだが、残念なことに昭和51年に反日左翼活動家に放火され大極殿を残してほぼ焼失している。であるから、現在ある建物のほとんどは昭和終期に建築されたさらに新しいものとなっている。
まあ今は平安神宮と言えば結婚式場として名前を知っている人の方が多いと思う。
度肝を抜かれた巨大な大鳥居から神宮通りの表参道を進むと朱塗りの柱、瓦屋根の二階建てである応天門が正面に建つ。
これもまた巨大な門だ。
そして応天門を潜るとそこは足元に白砂を敷かれたただただ広いスペースになっている。
イメージとしては、一万坪の四角い土地を塀で囲い白砂を敷き、塀の南の中央に応天門、北の中央に外拝殿である大極殿を置き、大極殿の奥に内拝殿を、さらに最奥に本殿を置いたレイアウトを考えれば良い。
全ての建物の北側に覆いかぶさるようにさらに一万坪の神苑という庭園が作られている。
その神苑は桜の名所であり、だからこそ開花にあわせて平安神宮を訪れる参拝客は多い。
足元は水はけの良い砂なのでぬかるむことは無かったが、流石に雨が少し強かったので傘を差した。
初日から回っている京都の神社仏閣は境内が広く建物が大きいものが多かったが、特にこの平安神宮はその贅沢な広さと雅な平安時代を再現した唐の影響を強く受けているような建築様式が特に興味深かった。
大極殿の前まで進むと右に蒼龍楼、左に白虎楼という屋根つきの三つの塔のような二重閣があり、その奥の両角の瓦屋根にのしかかるように、しなだれかかるように、だらりと艶やかな満開の桜が垂れてきているのが何とも印象的。