◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
石段を登ると小さな祠があってお地蔵さんが祀られていた。脇に「椿地蔵」と書かれた札が立てられている。
さらにもうちょっと先へ行くと視界が開けた。
菜の花畑が広がっていて、その向こうに丸い山並み。
しかし天気が良くないので色彩は鮮やかでない。くすんだような色合い、菜の花も咲いていないし。
漬物屋の主の言うとおり桜も咲いていた。
どちらかというと花びらの小さい可憐な桜だ。言われてみないと咲いていると気づかなかったかもしれない。
不断桜は別名秋ざくらとも呼ばれ、秋から春まで咲くそうだ。真冬に咲き続ける桜というのも珍しい。
市内の中心部より気温が低いからか、大原では普通の桜が咲いている様子は見られなかった。まだここでは梅の季節だ。
不断桜の近くに面白いものを見つけた。
手動販売機「籠おろし」。
籐を編んだ丸い籠に鈴がついたものがケーブルで対岸に繋がっている。
「籠に代金を入れて対岸までおろして下さい。アイスきゅうりが、籠に入って届きます。届かない時は、大声で呼んでください」と札に説明が書かれている。
確かに手動だ。籠を下ろすのも手動なら、気が付かない時は大声で呼べと言うのも。
料金はアイスきゅうり1本 150円、冷えた缶ビール300円、ワンカップお酒300円。
なるほど見晴らしがいいと勧めてくれた漬物屋の商売はこれか。
ベンチもあるし、参拝後にでもゆっくりしてけと。思わず三人で笑ってしまう。