◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
横断歩道を渡ってからは緩やかな上り坂。
左手には菜の花畑、でもほんのちょっとだけ花が咲くには早かったみたい、本当に僅かにしか咲いていない。
紫蘇の花も咲いている。大原は菜の花と紫蘇の産地で、この紫蘇を使ってしば漬けが作られる。
道は右へカーブして、高野川の支流 呂川に沿って三千院の参道を登って行くようになっている。
ここからは土産物屋や茶屋が立ち並ぶ。
しかしまだ三千院の参拝時間にならないので道脇の店もほとんど閉まっている。そもそも私たち以外、誰も参道を歩いていないのだ。何だか変な感じだ。
道は蛇行しながら細くなってきた。川の流れる音だけがする。
左手に志ば久という目立つ漬物屋が店を開く準備をしていた。思わず主とおぼしき作業中のおじさんと目が合う。
「まだ三千院は開いてないからそこの道を登って行ってごらん。眺めがいい場所があるよ」
確かに志ば久の正面に呂川に渡された小さな木の橋があり、その先石段に続いている。
真っ直ぐ進んでも三千院が開くまで10分ぐらい待たなくてはならないだろうから、寄って行ってみようかな。元々何かあると何でも寄ってみたくなる質だし。
「桜も咲いているよ。普通の桜は大原ではまだ咲かないけど不断桜っていうのがまもなく終わりだけどまだ咲いているよ」
「ありがとうございます。行ってみまーす」