25.不愉快な出来事
予定がすっかり狂ってしまったので、夕ご飯も7時には食べ終わってしまうという早さ。
そもそも今日の夜は平安神宮のライトアップを見に行く予定だったものが白紙に戻ってしまったので何も無い。
そこで、夜は翌日の予定を前倒しに持ってくることを考えてみた。
明日は大原まで遠出してみるつもりだった。
その代わり昼間は大原以外の観光は入れず、夕方早めの時間に祇園・清水方面に繰り出し、そのままそこで夕食も取り、暗くなってからはライトアップしているところを回ろうと考えていた。
あの辺りはライトアップしている観光名所が集中しているのだ。
清水寺、ねねの道、円山公園、花見小路・・・などなど。
しかし、今日の天気が一日晴れだったのに対し、実は明日の天気は雨なのだ。
旅行出発前から雨だという予報が出ていて、一時はかなり降るという話だったが、今日の段階では午前中は曇り、昼ごろから降り出すかもしれないという予報に変わっている。
だからこんな風に考えてみた。
明日のライトアップの予定、一部だけでも今夜回ってしまわないかと。
今夜の予定は無くなったし、少なくとも今日は雨が降ってない。
部屋で一休みして荷物を軽くして夜7時半頃出発。
昨日に比べるとあまり歩き回ってはいないから体力は残っている。昨夜は
天翔の湯も二条城のライトアップもスルーして寝てしまったレナも今日は一緒に出掛けると言う。
もう外は真っ暗。
四条大宮から祇園方面へ行くバスは何系統も出ている。
しかし、バス停に近づくとちょうど乗ろうと思っていたバスが発車してしまった。
何だかさっきの銀閣寺からの帰りを思い出す。
またか。
バスを降りるときには一日乗車券の場合は裏の日付を提示して降りるのだが、私たちの先頭にいたカナが乗車券を提示しても運転手は前を向いたままガン無視。見せなきゃ降りれないと思っている彼女は何度かそのカードをぐっと突き出して見せたが運転手は絶対にそちらを見ようとしない。意地を張っているようにずっと正面を向いたままだ。
「もういいよ」
彼女に乗車券をしまわせ、私もレナも機械的に乗車券を提示して黙って降りた。
本当に今日はバスにツイてない。