◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
三十三間堂を出たのは11時半過ぎ。
さっき和菓子作りを体験した後にお茶とお菓子を食べたけれど少しお腹が空いてきた。
しかし甘春堂で指導してくれたおじさんは、この近所に食べるところはほとんど無いと言っていた。
渉成園まで歩くなら、七条を鴨川を渡って西へ戻る必要がある。
川を渡る手前に「うぞふすい わらじや」という昔ながらの建物を使った店があり、あれがもしかしたら和菓子屋の言っていた一軒だけあると言ったお店かなと思いながらも通り過ぎた。
鴨川が近い歩道は道幅も広く空も大きく感じられる。
おしゃべりしながら広がって歩いているセーラー服の修学旅行生の集団を追い越す。
鴨川沿いも幾本か立派な桜が土手に向かって満開の花をつけた枝を垂らしている。
川を渡り終えると左手角に松明殿稲荷神社という小さなお社があって、少し進んで河原町七条交差点の辺りは茶色っぽい壁の少し外国のような雰囲気の建物。その向こうにちらりと京都タワーも見えた。
この交差点を右折して河原町通りを上がればすぐに渉成園のはず・・・。
ところが、確かに一ブロックも歩けばそこは渉成園の外壁で、もうこの内側は渉成園の敷地だと判るのだが、昨夜の二条城ではないが、どうも入口がこの反対側にあるらしいのだ。
ということは、渉成園の周りをぐるりと半周しないと中に入れないというわけ。
お腹が空いたなぁと嘆きながら、何やら少し蒸し暑くなってきた中、息を切らせながら壁に沿って回った。
今回の京都旅行で訪ねた神社仏閣名所史跡の中で、計画を建てるときに初めて名前を知ったのはここだけだった。他の名所の多くは何となく覚えているだけの中学の修学旅行を含めて既に一度は行ったことのある場所だったし、そうでなくても名前は前から知っていた。
しかし渉成園だけは初めて知った。
京都の桜の名所を片っ端からピックアップしていたときにガイドブックで知ったのだ。
行こうと思って調べてみると、ここは京都駅からじゅうぶん徒歩で行かれる範囲で、東本願寺や京都タワーからも近い。意外と帰宅日の新幹線までの時間調整などにも使えそうな観光地だった。
そして行ってみると想像していたよりずっと良いところだった。