◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
40.団子と七味と大学生のアンケート
最後に土産物屋の並ぶ一角に出た。
カナがお腹が空いたというので出口に近い方で出店を構えていた藤菜美というお店の串団子を買った。
もう店じまいも近かったのか、残念ながらカナが食べたかったみたらし団子はひとつ前のお客さんで売り切れ、これならまだありますよと勧められてよもぎ団子を買った。あと甘い煎茶のソフトドリンクも。
出店が両側に並ぶ通路の中央にベンチがあったので、そこで二人でお団子を食べていると、学生らしい男女に「アンケートお願いしてもよろしいですか?」と頼まれた。
そろいのジャージの胸元には「京都造形芸術大学」。
ああ、やっぱりね、二条城のライトアップに使われていたあの通路の竹筒型の手作りライトは芸術系大学生さんたちのイベント協力にして作品発表の場だったんだ。
快くOKして、手渡されたクリップボードのアンケート用紙を見ると、どのエリアの作品が良かったかや、ライトアップで印象に残ったのはどれですかといった内容だった。
どれも好印象だったので悩んだけれど、やっぱり最初の竹照明と、全体では北大手門の枝垂桜のことを書いた。
アンケートに二の丸御殿台所の生け花という項目もあってこれだけは何だかわからなかったが、食後に出店が切れたところで見つけた。
重要文化財の二の丸御殿台所が公開されていて、そこに生け花というか、松の枝と花でディスプレイされた空間があって、手前に三つほど琴が並べてあった。時間帯によっては生演奏が入るのだろう。
最後に出店の端の七味唐辛子屋で山椒の粉を買った。
京都出発前に実家で母と妹に清水寺の手前にある七味屋の山椒が美味しいと聞いていたから。
といってもこの店は清水の店ではなく伏見の店だった。
山椒がほしいと言うと、既にパックしてあるものではなく、目の前で手際よく粉を軽量して袋に入れてくれた。調味料屋というよりさながら薬剤師のようだ。
あとはレナの待つヴィラージュ京都に帰るだけ。
最初に入城した東大手門を出て、たぶん近くに市バスのバス停があるんじゃないかときょろきょろと見回したら、それらしいところはすぐに見つかった。
バス停の行先を見てスマホの洛ナビをチェックする。
えーと・・・二条城から四条大宮へ戻るには・・・行きも直通では来られなかったからどこかで乗り換える必要があるのかな・・・。
悩んでいると周りに立っていた人が複数、
「どこへ行くの?」
「えっ、四条大宮?」
「じゃあ乗り換える必要ないよ。四条堀川で降りて歩いた方が早い」
「歩く距離も短いよ、すぐだよ、次に来るバスに乗れば着く」
みんなで教えてくれた。
ああ、なんか京都の人、親切だよ。
ありがとう。
助かるなぁ。