◆◇桜の古都巡り◇◆
京都観光旅行記
桜と紅葉、多くの観光客を惹きつける景観でも名高いが、実はこの仁和寺、多くの著名な寺社と比較しても天皇家とのゆかりが特に深い寺の一つである。
平安時代、第58代光孝天皇が着工を命じ、第59代宇多天皇が建立、退位後に出家した宇多天皇ご自身がこの仁和寺に居住され修行なされた。
宇多天皇没後も代々皇族が住職となり、それは延々と明治維新まで続いた。
そのことから当時の仁和寺の別名は御室御所であり、維新後は旧御室御所とも呼ばれている。
御室というと私は百人一首の「あらし吹く み室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり 能因法師」の印象が強く、てっきり「みむろ」と読むのかとばかり思い込んでいたが、百人一首の「御室の山」とは奈良県の神奈備山のことで、こちら京都の仁和寺は真言宗御室派の「おむろ」であった。
降りたバス停は仁和寺の道向かいにあった。
停留所の並びに何軒かの甘味処や土産物屋があり暖簾が風に揺れている。
仁和寺入口の立派な門は、二王門と名付けられ重要文化財に登録されている。
二王と言うのは左右をいかめしい貌の金剛力士像が守護しているため。こうしてみると阿吽の金剛力士って南方系の顔立ちだよねぇ。
二王門を潜ると広く真っ直ぐな通路が伸びていて、奥の一段高くなった所にもう一つ門が見える。中門だ。
左手を見ると拝観料を徴収する受付があり、有料の入口があった。どちらへ進むべきだろうかと悩んだが、とりあえず拝観料を払って中門の方ではなく左に進んでみることにした。