◆◇草津温泉と渋温泉◇◆
真夏の外湯巡り
34.お風呂が怖い
部屋に戻るとやっぱりパパは熟睡していた。
今日最後のお風呂は和多の湯。そこで髪を洗って寝よう・・・と思って階段を下りたのだが、脱衣所のドアを開けて浴室をのぞいて固まった。
く、暗い。
電気がついていないわけじゃないのだが、あまりにも薄暗くて怖い。
誰かと一緒に入るならまだしも、夜遅く、他に誰も泊まっていない宿の古い浴室で、しかも目を閉じて髪を洗うとか・・・
無理ーーー!!
びびって和多の湯は諦め、夕方入った延寿の湯に移動した。
しかし夕方は明るかったそこも、隣の和多の湯と同じだった。というか、浴室の灯りがその延寿の湯と和多の湯の間にある一ヶ所だけなのだ。だから条件は変わらない。真っ暗じゃないんだけど、とにかく薄暗い。
女将さんが電気をつけた?って聞いてきたことを思い出す。
電気はついてる、ついてるけど、足りないよ。
お風呂に入るだけなら何とかなるけど、髪を洗う時の背中が怖い
しょうがなく残る最後のお風呂、貸切露天風呂に移動した。
露天風呂は明るかった。
いや明るいってほどじゃないけど、他の二つの浴室に比べれば灯りが複数あってホッとした。
でもここはシャワーが無かった。
一人きりでバスタオルを巻いて貸切露天風呂のベンチに座って、これはもう、今夜髪を洗うのは諦めろってことかなとしばらく放心していた。