2.吹上高原キャンプ場へ到着
お忙しい中、いらしてくださった屋代さんは電話の声から想像したとおりの優しそうな紳士でいらした。やはりテントに泊まりたいという子供たちの意見と、どちらかというと今日より明日、さらに明後日と下り坂の天候を考慮して、今日はとりあえず真っ直ぐ吹上高原キャンプ場に向かうことにした旨をお伝えすると、滞在中、鳴子に来られることがあればきっと電話してくださいねと有難い申し出をしてくださった。
鳴子に入ると道のあちこちに巨大なこけしが立っている。橋の欄干や看板など。電話ボックスの上にこけしの頭が乗っているのもある。子供たちは見つけては大はしゃぎ。鳴子はこけしの町なんだよ。
空は益々重苦しい色になり、山は白いもやの中だ。川を渡り、道は少しずつ山を登り始める。対岸を見やるとあれ、温泉街から湯煙が上がっている。ああ、本当にここは湯けむりの町なんだ。
少しカーブが続くと思ったら、左手に深い深い切立つ峡谷。
うわぁすごい!!と思ったらダムが見えた。白いもやに浮かび上がる幻想的な光景。鳴子ダムは日本初のアーチ型ダムで紅葉の名所なのだそうだ。
ダムの上流は荒雄湖。この湖が終わる辺りに鬼首がある。
ちらほら鬼首の宿泊施設が見えてきたら吹上高原キャンプ場はすぐだ。管理棟はレストランを兼ねていて、隣に
すぱ鬼首の湯という温泉施設も併設されている。小奇麗な印象だ。
サイトは広々としていて区画されていない。先客は3、4組しかいないのでどこでも好きなところにテントを張ることができる。
この時点で時刻は午後1時…。
近くで最も行きたい温泉、吹上温泉峯雲閣は宿泊客のチェックアウト時間10時からからチェックイン時間午後2時までの立ち寄り入浴しか受け付けていない。テントを張る前に一風呂と思えば忙しないものの間に合わなくは無いが、雨が降りそうなので振ってくる前に設営を済ませてしまいたいし、お風呂は準備が全て整って気分が楽になってから落ち着いて入りたい。残念だけど今日の峯雲閣はあきらめることにしよう。