キッザニア X キッザニア キャンドル職人とモンエリ声優

*06*



大急ぎで劇場入口のモンエリ声優受付場所に来たカナとレナ。
「声優、やります」
「ハイ」
渡された札のナンバーは2番と3番だった。

ホッ。
今日は出足が鈍かったみたい。定員14名のうち、まだ一人しか来ていないみたい。

「時間まで劇場の中の椅子に座って待っていてください。但し、飲み物は構いませんが、待っている間、食べるのは禁止です。ちょうどマジックショーが始まるところですよ」

ああそうか。
劇場内は基本的に飲食可能だけど、札を下げた子供は他のお仕事を待つときと同様、劇場内でも食事は禁止なのね。

次の出し物の札を持った子供たちはどこかにまとめて座るのかと思ったが、特にそう言う様子もなく、既にマジックショーのために観客席のライトが落とされていたため、私たちは手近な席に座った。




声優は結局20分待ちで入ることができたわけだが、その20分というのは劇場のふかふかの席に座ってマジックショーを鑑賞しながらの20分だったわけで、まったく苦にならないどころか、逆に得をしたような気さえする。

カナもレナも最後に自分たちがマジックショーを体験したときとショーの内容が変わっているので興味津津。
特にこの最後の剣を使ったマジックは私も未だにタネが判らない。




この時点で中に入ったスーパーバイザーの手が出て動いているのに

四方八方から剣を刺されてもなんともないのは何故??



マジックショーが終わると劇場内は少し明るくなり、それから声優志望の子供たちが隅の方に集められた。
この時点で人数は8人ぐらい。
そうしている間にもうちょっと増えて、最終的には募集締め切り前に定員より一人足りない13人が集まった。
見たところ、比較的高年齢のお子さんが多かった。

まずスーパーバイザーが、キッザニアで声優を体験したことがある人と聞くと、カナとレナだけが手を挙げた。
「何をやったことがあるの?」
「コクーン繭の森」
スーパーバイザーはちょっと吃驚したように最初の映画ねと言った。

今にして思うと、コクーン繭の森というのは凄いプロジェクトだったと思う。
声優の仕事そのものはその後の本物の映画を使った台本よりずっと子供向けで簡単な一言二言のセリフばかりだったし、キャラクターが不定形で口が無く、口の動きに合わせて台詞をしゃべるなど高尚なことも必要無かったが、定員6名の11日間しか行わなかったので、実際に体験できたのはたったの66人の子供だけだったし、その66人のためだけに短編とは言えキッザニアオリジナルの映画をわざわざ制作し、それに何よりお仕事本番に本物のアイドル声優を呼んできた。

あの時の声優アクティビティの何が一番すごかったと言って、(何故かメイドのコスプレみたいなかっこうをした)美人のプロ声優と並んで一緒にアフレコの作業ができたということだろう。
これはちょっと余所ではできない体験だった。




舞台の上には定員分の丸い椅子が並べられていた。
練習の間、子供たちがここに座った。
次にスーパーバイザーは、「本を読んだり音読したりするのが得意な人ー」と聞いた。

カナはともかくレナは得意じゃんと思ったけど、うちの娘は二人とももじもじとして手を挙げようとはしなかった。

あちゃー、これでセリフの多い役からは外されたかな?

それからスーパーバイザーはキャラクターの絵のついた丸い札を配り始めた。
札は紐が通されていて、首から下げられるようになっている。
そして自分が渡された絵柄のキャラクターの役を担当することになる。

女の子の中から主役のスーザンは6人選ばれて、カナもレナもその中に入っていた。
この他の二人の女の子はボブというスライムみたいな青いモンスターの札を渡された。
男の子は将軍、大統領、コックローチ博士などの札が配られた。
定員より一人足りなかったので、二枚あったコックローチ博士の札は、一人の男の子に両方渡された。




舞台の袖ではスーパーバイザーが打合せ中。ノートパソコンのモニターが二つ見えるが、それはこれから使う。

最初に子供たちが見せられたのは、本物の声優がどんな風に台詞をしゃべるかという映像。身振り手振りも交えて大げさにしゃべるといいみたい。・・・でも、この人たちがしゃべってるの、英語なんですけど・・・。



それから舞台に上がってこちらの方を向いて椅子に座った。

次にめいめいの台本が配られ、台詞を読む練習をする。

全員がいっせいに自分の台詞をしゃべるしマイクも無いので観客席では誰がどんな台詞をしゃべっているのかまったく判らない。
本番のお楽しみだ。



2人に一人ぐらいの割合でスーパーバイザーが付き、子供たちの台詞を聞いてひとつひとつアドバイスする。

そこのセリフは語尾を上げて質問している感じに・・とか、こっちのセリフは苦しんでいる感じでゆっくりと読む・・とか。

本番を見てからの感想だが、かなり難易度が高い台詞が多かった。
一応キッザニアでは「小学校1年生程度の文章読解能力以上」を想定しているようだが、ほとんどの役は小三以上の方がしっくりくる感じだった。
比較的簡単かなと思ったのがナンバーが前半のスーザン役だが、これもナンバーが後半になるとかなり長く難しい台詞が多くなる。

ちなみにカナの役は6人いるスーザンのうち3番目。レナは4番目。
割り振られたのはたまたまだと思うが、レナの方が少し難しい役だったと思う。




キッザニア体験レポ キッザニア東京体験レポ キャンドル職人とモンエリ声優7へ続く

キッザニア体験レポ目次 キッザニア東京体験レポ キャンドル職人とモンエリ声優目次へ戻る

キッザニアXキッザニア キッザニア X キッザニアへ戻る