キッザニア X キッザニア 冬の平日がらがらキッザニア

*06*



マダガスカル2の声優募集に入れなかったことはもうしょうがない。
ここでそのことを引きずらず、気持の立て直しを図らなくては。

楽屋前にはちづさんがいらした。
ちづさんから伺ったお話によると、45分ぐらいにぱーっとグループのお子さんたちが何組かいらして、あっという間に人数が揃ってしまったようだ。最後に来た5人組は全員は入れず、2人は入ることを決めたものの残る3人は二人枠を迷い、その間にもう一人来て、後から来た一人は3人が抜けることを決意した後に入り、さらにもう一人来て終わってしまったらしい。

ちずさんのお嬢さんであるあいさんは、近くのテーブル席で食事をしながら様子を見ていて、最初のグループが来てすぐに食事を切り上げご自分も並ばれたそうだ。良い判断だ。

とにかくカナとレナは次の仕事を探さなくては。
大通りを歩いて、正面のパン工場に何人かの子供たちが吸い込まれていくのをカナは目にした。
「パン工場、入れるかも」



パン工場のスーパーバイザーに聞くと、あと2人ならすぐに始められるとのこと。
レナはまだちょっと声優に入れなかったことを気に病んでいるようだったが、パン工場好きカナはすぐに気持ちを切り替えた。
「やります」
カナが答えた瞬間、後ろから二人組の女の子が来た。
「パン工場入れますか?」
「ごめんなさい。今ちょうど全員揃っちゃったので次の回になります」
タッチの差にカナはホッとしたようにレナを連れて中に入っていった。




パン工場ではクロワッサンをくるくると巻いて作る
二人の次の仕事が決まったので、私は劇場に足を向けた。

まだ声優の本番が始まる前の幕の降りた劇場では、ちづさんが一人で座っていた。

ここでしばらくちづさんと楽しくおしゃべり。
意外なことにあいさんは声優体験が初めてなのだそうだ。
ご本人の興味のこともあるが、今までネックになっていたのが募集時間らしい。
そう言われれば過去の期間限定声優は、どれも基本的に平日企画で、募集時間が開園とほぼ同時だった。
今回の我が家もだが、学校を終えてから来るとなると、なかなか開園時間に間に合うよう来るのは難しいし、増して確実に声優に入るために開園時間より相当早い時間に来ることはもっと難しい。

今回の開園3時間後というのは、まあお仕事のタイミングを合わせるのは難しい時間帯であるが、その分公平で多くのチャンスがある時間帯とも言える。

但し、以前やはり期間限定の星空ナビゲーターにタイミングを合わせるのに酷く苦労したのも事実だから、それなりに難しい時間でもある。




せっかくなので、あいさんが今日、印刷工房で製作されたポスターを見せてもらった。
デザインといい、色の選び方といい、非常に素晴らしいと思う。実は私はあいさんの作品のファンです。

左の木を模したエコポスターもいいが、こちらの四季を色分けしたデザインもいい。
特に春と夏の暖色系をピンクと黄色にしたりせず、同系色でまとめたこのバランスが子供っぽくならず絶妙の仕上がりになっていると思う。



そろそろパン工場のお仕事が終わる時間。

私はちづさんに挨拶して劇場を後にした。



お土産のクロワッサン三つずつを紙袋に入れてもらって二人がパン工場を出てきたのは7時半。

テレビ局前のテーブル席でパンを食べようとしたら、ちょうど劇場入り口からマフラーを巻いたバッチェが出てきた。

バッチェと記念撮影。

意外かもしれないが、我が家がキッザニアキャラと記念撮影したのはこれが初めて!

いつもは恥ずかしがって逃げちゃうし、なかなか記念撮影に足を止める余裕も無い。
それ以前に二人がお仕事してないときにキャラクターが通りかかることも稀かも。
こういうところも平日2部は美味しいなぁ。



さあ今度こそパンを食べよう・・・と思ったところで思いついた。

どうせなら劇場で食べようか。

しかし残念ながらまだマダガスカル2の本番は始っていなかった。
とりあえずちづさんの隣の席でパンを食べ、私も子供たちにひとつずつ計2つのパンをもらって食べ、それから次のお仕事を探しに行くことにした。



そして劇場を出て、中央広場を通りかかったところでゴンベさんに声を掛けられた。

ゴンベさんは本当に子供にやさしい。
遊んでくれてありがとう。


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