*06*
印刷工房につくと、ちょうど扉が開いてぞろぞろと何人もの子供たちが入っていく様子が見えた。 カナは真っ直ぐドアを抑えていたスーパーバイザーのところに行き、まだ入れるか聞いた。 「あと3人だけだって。ちょうど3人だよ!」 なんと残り枠は3人で、しかもまさに今、次の回が始まるところ。 混雑土曜日に待ち時間ゼロで二つ目のお仕事が見つかるとは思わなかった。 しかも3人揃って。 これは幸先良いかも! |
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印刷工房の外壁に並んだクリスマスのポスター。 実はこれらのポスター、あまりに出来が良いのでデザインに心得のある大人が作っているのだとばかり思ったら、体験した子供の作品でこれはと思うものがあるときは飾ってくれるらしいよ。 というのは、知っているあるお子さんの作品が飾られたと伺ったからだ。 でもこの三枚のうちどれだかは聞いてないんだよね。 どれかなぁ。 どれにしてもプロ級の作品。 →後から、一番下のプレゼントの箱を模した白地に赤の作品だと教えてもらいました。 かぁっこい〜い。 ちなみに中のモニターにも見本として(?)多くの子供たちの作品が映し出されている。 カナに聞いてみたら、どうもカナの過去の作品も入っているらしい。 やるじゃ〜ん。 |
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3人が入って印刷工房のドアは閉められて、そのあと二人ほど子どもが来たけど、残念ながらもう35分待ち。 やっぱりキッザニアはタイミングが全てだ。 レクチャーを受けた後、各々パソコンの前に座ってポスターをデザイン。 一番手前の椅子に座ったのは初めてだね。 いっつも窓から見て奥の方ばっかりだったから。 |
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レナの作業中のパソコンの画面 |
カナの完成後の発表 |
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とにかく今日が混んでいることは判っていた。 予約カレンダーはとっくに×になっていたし、ららぽーと豊洲オープン前から人が詰めかけていたし、人気のお仕事はどこも2回先以上まで並んでいる。 私とT君のママは次の仕事をどうするか相談した。 T君は出版社が好きでよく行くというので、おなじ二階にあるそこも見てきたが、さっきグリーンサンタのクリスマスカードを配りに行った時と同様、既に次の回の10人だけじゃなく、ベンチに座りきれなかった子供たちが向かいの壁側にしゃがんでいた。 どうもここも無理らしい。 ふと見ると、ビジネススクールは誰も並んでいない。 ここも印刷工房と並んで、期間限定企画があるときはいつもと違うテーマでやらせてもらえるので、今回ならクリスマス商品を考えられるはず。 ビジネススクールは人気がないが、それはあくまでも全キッザニアン平均での話で、年齢が上がれば上がるほど好きだという子供の率は上がってくる。 「ビジネススクール、いいかもね」 見た感じ、前の回はもうデパートでの取材を終えて、ディスカッションに入っている。 3人が印刷工房を終えてから並んだら、そんなには待たなくても済みそうだ。 |
印刷工房のレナの作品 |
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ビジネススクールの前の通路。 正面は幼稚園。幼稚園の左が印刷工房。 そしてこの通路を行くグリーンサンタたちの後ろ姿が見える? |
5時4分に印刷工房の仕事は終わった。 ビジネススクールはどうかという親たちの意見に反し、カナは「もうデザイン教室に行くことに決めている」と言い出した。 デザイン教室ではクリスマス期間中に限り期間限定のシールが作れる。 カナはこれがお目当てなのだ。 「うーん、もちろんデザイン教室は行けると思うけど、今ちょうどビジネススクールの次の回が誰もいないみたいだし、デザイン教室は後にしてもいいんじゃない?」と私。 ビジネススクールなど普通のパビリオンと違って、デザイン教室は余裕があれば常時受け入れてくれる。 同じだけ空きがあるなら、ビジネススクールを先に回した方がいいとつい計算してしまう。 3人がビジネススクールに並んですぐ、定員の残り3人も並んでしまった。 誰も並んでいないとなかなか並ばないが、誰か並ぶとすぐに定員が埋まってしまうのはよくある話だよね。 さて、ビジネススクールの前の回がそろそろ終わるという頃、ちょうど私たちの前をグリーンサンタの集団が通りかかった。 カナたちの次の回のメンバーのようだ。 集団で2階に上がってきたということは、カナたち同様、1階では人数が合わず、渡しあぐねてのことだろう。 そのとき私はいいことを思いついた! |
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「君たちはクリスマスカードを配ったけど、まだもらってはいない。あのグリーンサンタさんたちは、カードを受け取ってくれる人を探している。ほしかったら、アピールしてみたら?」 それを聞いたカナとレナ、ジャンプして声を上げ始めた。 「サンタさーん、カードくださーい!」 何人かいたグリーンサンタの一人が気づいたみたいだ。 戻ってきてレナにカードを手渡してくれた。 「メリーグリーンクリスマス!」 やったー。レナ、大喜び。 しかしカナはもらえなかったのでちょっとがっかりしたようだ。 まあそれもしょうがないだろうなーと思っていたら、2階の突き当りまで行ったメンバーが、もう一度帰るためにビジネススクール前を通りかかった。 再びジャンプしてアピールするカナ。 すると、さっきとは違うサンタさんがカナにカードを手渡してくれた。 「やったー! 嬉しーい」とカナ。 しかし、T君だけはまだカードをもらっていなかった。 |
グリーンサンタからクリスマスカードをもらった子供たち |
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