*04*
残念ながら、カナのマジックは生では見られなかった。 このときのメンバーは定員より3人少ない5人。 それでも中での本番だった。 でもカナが終わった次の回だか次の次の回では、3人で外のテーブルでやっているのを見た。 とりあえず3人未満だったら外のテーブルで実施する可能性有りということか。 コインのマジックとカードのマジックがあるが、カナは前にレナがやったのと同じコインのマジックだった。 たまたまこの回は女の子一人だったようで、男の子に囲まれてちょっと寂しかったとカナは言っていた。 |
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マジシャンを終えて出てきたカナと、それを迎えるレナ |
レナにはこの隙にカナの作った冷凍食品の残りを食べさせた。 カナが半分レナにあげてと言っていたから。 もうじきカナのマジシャンも終わりそうで、これは先にレナの仕事先を決めるのは無理だ。 星空ナビゲーターで合流することを考えても、もう一緒に次の仕事を探させた方がいいだろう。 せっかく楽屋前に来たので、またまた楽屋担当のスーパーバイザーを捕まえて星空ナビゲーターのことを聞いてみた。 「まだ並び始めていないですよね?」 楽屋前はいろいろな仕事の列ができるから、ぱっと見、列を作っている子供が何に並んでいるか判らない。 「まだまだですよ」 のんびり構えてスーパーバイザーは言った。 そしてチャーハンを食べ終えて私の横にいたレナに気づき、学年を尋ねた。 「3年生」 カナもレナも人一倍小柄なので、年齢を確認しない限り、2学年ぐらい下に見られがち。 「3年生かぁ。星空ナビゲーターは台本を読むお仕事があります。できれば年齢の高いお子さんにその仕事をお願いしたいと思っています。星空ナビゲーターに入ったら、ぜひ文章を読むお仕事をして下さい。あなたのようなお子さんにお願いしたいです」 レナはとっても嬉しそうな顔をした。 彼女は理系の姉と違い、音読大好き。 読むのは大得意だ。 学校で教科書の音読宿題が出ると、一度目は普通に読み、二度目は感情を込めて読み、三度目になると教科書を閉じて暗記して読んでしまうことすらあった。 レナはもし星空ナビゲーターに入れたら、お星様の紹介ができるとわくわくし始めた。 |
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私が話し終えると、また別の保護者がスーパーバイザーに星空ナビゲーターのことを聞いていた。 今日の楽屋担当は、果たして何回星空ナビゲーターのことを聞かれたことだろう。 とりあえず今が7時の1時間45分前として、あとひとつはお仕事ができそうだ。 二人がやったことが無くて、すぐにできそうなところ・・・ということで、とりあえずデザイン教室に向かってみた。 デザイン教室には壁画とイーゼル画とシール作りの三つの体験がある。 カナとレナはシール作りだけやったことがある。 シール作りは最初から最後まで受け付けているが、壁画とイーゼル画は、部分的にしか受け付けていない。 三ついっぺんに受け付ける時間帯がある日もあるが、壁画とイーゼルは同時に受け付けない日もある。 今日はこの時間帯、シールと壁画のみの受付だった。 スーパーバイザーの人数が確保できなかったので、壁画とイーゼル画を同時に受け付けられないのだそうだ。 カナとレナは壁画を希望したが、平日のこの時間、意外にも壁画体験者は多く、二人は10〜20分待ちと言われた。 デザイン教室で20分待ちは避けたい。 しかも今は5分でも貴重だ。 二人はまた次の機会にと言って、自主的にデザイン教室を後にした。 |
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二人が両方とも未体験のお仕事なんてもうほとんど無い。 裁判所、オズの魔法使い、パレード・・・そのくらい。 裁判所は人数が集まらないし、オズは星空ナビゲーターが入って休止中、パレードは終盤なので今の候補には入らない。 四種類の仕事があるビューティーサロンで、未体験のお仕事をやってみたらと勧めたが、ここも誰か来るとぱーっとみんな並ぶが、誰もいないとお客さんを待たなくてはならないため、ほんの少しの時間の差で、混んだり無人になったりしている。 ここもタイミングが合わなかった。 ・・・しょうがない。 「時間がないから、もうこの際、今までやったことのあるお仕事でいいよ」 ついにダブリ解禁だ。 カナが未体験で体験時間が短いことからソフトクリームを勧めてみたが、どうしてもカナはうんと言わない。 私とレナがカナの作ったソフトクリームを食べるからと言っても駄目だった。 お仕事カードコンプリートを目指すなら避けて通れない道なのだが、無理強いしても仕方がない。 「じゃあ何がやりたい?」 「出版社」とカナ即答。 レナは「えー」と言ったが押し切られた。 そして私たちは2階の出版社に移動した。 |
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出版社の待ち時間は5分程度だった。 今にして思うと、これは絶妙の選択だった。 このとき出版社もしくは同程度の待ち時間と体験時間のものを選んでいなかったら、星空ナビゲーターは体験できなかったかもしれない。 とりあえず二人が並んだので、私はこの隙にデリカテッセンで食事を買い、劇場で食べた。 別に他のテーブル席も空いていたのだが、何か上演していたらいいなと深く考えずに劇場へ向かった。 残念ながら劇場は臙脂の緞帳が降りたまま、シンと静まり返っていた。 暇そうなお父さんが一人、隅の席で携帯をいじっているだけだった。 |
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出版社はマンガ家になるお仕事。 ワンピースとチョコミミのどちらかを選び、一部が抜けている原稿に自由に表情や台詞を描き足して完成させる。 模様に切り抜かれたスクリーントーンも決められた数、使える。 完成した原稿は、ちゃんとキッザニアオリジナルジャンプ・りぼんに製本してもらえる。 中身は自分たちが描いた原稿、マンガの書き方、キッザニアの歴史など。 前回も今回もレナは見本とほとんど変わらないような台詞を入れていたが(正直、これでどこが面白いのか判らん)、カナは結構オリジナリティを出そうと努力していた。 一人ずつ別々の体験をして、甘えずにいろいろなことを学んでくるのもいいが、たまには姉妹一緒に体験するのもいいね。 プロカメラマンの写真撮影でも、今回初めて二人一緒に撮影してもらえた。 出版社のユニフォームは特段かっこいいものでもないけど、笑顔が気に入ったので結局お買いあげ。 |
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実は劇場で食事を終えた後、私は我ながらしつこいと思いながらも楽屋前に足を運んでいた。 さっきとは別のスーパーバイザーを捕まえ、状況を聞いてみる。 「まだ募集時間になっていませんので、誰も並んでいません」という返事。 このときの楽屋前は、ちょうど目の前でステージマジックの子供たちがぞろぞろと楽屋に入り、代わりにファッションモデルを希望する子供たちが並びはじめていた。 カンフーパンダが入っている期間は、通常2回行われるファッションショーが一回になる。 そのためか結構人気があって、殺気立っているお母さんもいた。 あきらかにファッションショー目当てとは思えない親子も何組かうろうろしている(私もその一人)。 たぶん星空ナビゲーターの様子を見に来たのだ。 でも流石に1時間半前から並ぶのは早すぎると思ったのか、様子を見ているだけで並ぼうとはせず、いつの間にか消えてしまったりした。 私の他にもファッションショーの列を見て、何の列か確認している人もいた。 私はファッションショーの募集時間がひとつの鍵だと思った。 6時10分にファッションモデルの募集は終了し、並んでいる子たちは楽屋の中に入っていく。 列が空になれば絶対星空ナビゲーター志望の子供たちは一斉に並ぶ。 だから確実に入ろうと思ったら、ファッションモデルの列が消える前に場所を確保しておいた方がいい。 そんなこんなで焦る状況もあったのだが、とにかくカナとレナは現在出版社体験中。 途中で出すわけにはいかないので、ここは様子を見ているしか手がない。 そして出版社のお仕事も後半に入ると、いつ子供たちが出てくるか判らなかったので私も出版社前に張り付いていた。 だから、もう楽屋前の状況は判らない。 果たして誰かフライングして並んだのか。 それとも・・・。 |
ホワイトボードにワンピースとチョコミミの入稿予定日などがリアルに記載されている |
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キッザニア体験レポ 期間限定「星空ナビゲーター」5へ続く
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