*07*
2階の階段から階下を見下ろすと、ちょうど仕事分担を決めているところだった。 建設現場の仕事は三種類。 クレーン操作2人、床下空調2人、外壁パネル貼り残りの6人。 カナもクレーン操作に立候補したが残念ながらじゃんけんで負けて、外壁パネルになった。 この前のレナとまったく同じパターンじゃん。 貼り方も同じ市松模様。 二人一組になって表と裏からボルトとナットを留める。 巧く留まったら親指を立てたポーズで相手に知らせる。 |
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クレーン操作。やり方を教わった後、一人は上で旗を持って指示、もう一人はここで実際の操作を行う。 2階でパネルを貼っているチームに使うパネルを届けたりする。 |
床下空調。まずはボードに磁石になったパイプを貼ってどのように組み合わせれば巧く送風できるか確認する。 三パターン作ってみて、最後の一つを実際に組んでみた。ラスト、巧く風が通ってみんなで拍手。 |
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6時59分、レナは開腹手術を終えて1階の病院出口から出てきたので、次の仕事を探す。 「どこがいい? どこでもいいよ」 「うーん・・・」 レナは食べ物関係はハンバーガーショップを除いて制覇している。 ハンバーガーショップの待ち時間も長かったので、悩みながら歩いた。 おっ、歯科医院の待ち椅子に5人しか並んでないよ。 以前はここは定員4人だったが、歯科衛生士の仕事ができてからは6人に増えている。 レナ、前回歯科医院をやりたくて何度か見に来たけどタイミングが合わなかったよね。 「・・並んでみる」 20分ぐらいの待ち時間と言われる。 その頃歯科医院の隣の隣にあるビューティーサロンでは、30分の待ち時間を終えて、ちび姫ちゃんがネイルを塗ってもらっていた。 また、7時10分には早々にお菓子工場が募集を終了していた。 そろそろ最後の仕事をどうするか念頭に置いて仕事を選んだ方が良さそうだ。 |
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レナが歯科医院に並んで、ちび姫ちゃんがビューティーサロンを体験している間に、カナの建設現場の仕事が終わった。 やりたいと思っていたピザショップは待ち時間が長く、ビジネススクールならすぐに入れそうだと伝えたが、カナは病院に向かった。 病院は例によって、どの仕事ができるか聞くための列がまずあるので、ようやくカナの順番が回ってきたときには7時21分になっていた。 「今ですと、一番待ち時間が短いのは救急救命士です。でもこのお仕事は人数が揃わないと始められません」 この混雑でこの時間帯、人数が揃わないということは有り得ないので、この点は大丈夫だろう。 「それから、今から並ぶともう銀行やクレジットカードセンターには行かれなくなります。それでもいいですか?」 そ、そんなに待ち時間も体験時間も含めて長く掛かるのか。 こりゃ最後のお仕事だな、巧く回せばあと2つはできるかと思ったけど。 というより、今の台詞、以前と違わなくないか? 以前は「もう銀行やデパートに行かれなくなります」だった。 デパートがクレジットカードセンターに変わってる。 もしかしてデパート、閉園15分前終了じゃなくなったのか? |
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カナが救急救命士をやる決意をしたところで、ふと列の後ろをのぞいたら、なんとちび姫ちゃんが並んでいた。 ビューティーサロンの体験を終えて、病院にやってきたのだ。 「カナは救急救命士をやることにしたみたい」 「そうなんだ」とyuko_nekoさん。 カナとちび姫ちゃんの間には何人か並んでいたから、その間に救急救命士の定員が埋まってしまう可能性もあるけど、たぶん入れたらちび姫ちゃんは、カナと一緒にやりたいと救急救命士を選ぶだろうなと思った。 |
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レナたちが歯科医院の仕事に入って直ぐに、歯科医院の看板が修正された。 定員がさいだい6名だったのが、さいだい4名に減っている。 なんでだ? あと1時間半で閉園。一人でも多くの子供を受け入れた方がよくないか? ・・・判った。 これは非常に考え抜かれた作戦だ。 歯科医院の仕事は、前半は全員で歯のことを勉強するが、後半は一組ずつ実際の治療を行う。 六人だと三組が順番に治療する。 でも四人だと二組だから、全体的な体験時間は短くなるはずだ。 そうしたら、あと1回しか募集できないところ、2回募集できることになる。 2回目の募集時間も遅くまで受け付けられるから、その時間帯に体が空く子供が並ぶことができる。 つまり、6人募集にしていたら、閉園までにあと6人しか体験できないことになるが、4人募集に切り替えたことで、閉園までに8人体験させることができる。 巧いぞ、キッザニア。 |
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ちょっと見に行ってみたら、病院裏の2階の窓からカナとちび姫ちゃんが手を振っていた。 やっぱりちび姫ちゃんはカナと同じ救急救命を選んだようだ。 |
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レナの体験した歯科医院は、6人がそれぞれ二人一組になり、片方が歯科医師、もう片方が歯科衛生士を担当する。 レナはコンビを組んだ相手が歯科医師を希望したので、特に主張せず歯科衛生士となった。 カナのときの逆パターンだ。 歯科衛生士はまず歯を削るときにバキュームで唾液などを吸い取る。 また、詰め物を外した後、歯形を取る。 下の右の画像は歯形を取るためのガムを練っているところ。シートを畳んでつぶし、畳んでつぶし、それからまるめる。結構手袋にくっついてやりにくいそうだ。 ラジオ局前で工事していたパビリオンがオープンするまでは、最新のお仕事と言えるのはサウンドシアターやスポーツクラブのインストラクターだが、お仕事カードはサウンドシアターは前のエンターテイメントショーと同じだし、インストラクターもスポーツクラブで以前配っていたものと同じ。そう考えると歯科衛生士のお仕事カードは、今一番新しい種類のカードかもしれない。 |
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この頃にはもうカナとちび姫ちゃんの救急救命士のお仕事は始まっているのだが、時間を前後させて先にレナの続きを書いてしまおう。 レナが歯科医院の仕事を終えたのは、8時5分だった。 閉園55分前。 たぶんもうあと二つ仕事をするのは無理だと思うが、一つなら絶対見つかると思っていた。 だから、それが何だったとしても最初に見つけた募集中の仕事に入れば、少なくとも最後のお仕事にはあぶれずに済む。 ところが、やっぱり流石は土曜日。 まさかと思ったが次の仕事は見つからなかった。 裁判所も新聞社も終了している。 でも最後の最後はスポーツクラブぐらいなら入れるはず、と、2階に急いだ。 新聞社の手前の階段を上ると、ちょうど斜め前にライヴステージの受付がある。 慌てて行ってみると、ライヴステージすら混んでいるという印象で沢山子供が待っている。 えーと、一人、二人、三人・・・いつものように数を数える。 9人!! あと一人入れる!! レナは自分からスーパーバイザーに寄っていった。 そして説明を聞いて私を振り返った。 「あと2、3分で始まるって!!」 「良かったね。キミは10人定員の最後の1人だ!!」 |
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