*06*
6時18分、カナがビューティーサロンのお客さん体験に入った。 店員役の子供たちと向かい合って座り、まずどの色を爪に塗るか決める。 カナはブルーグリーンのラメ入りを選んだ。 お客さんの希望に合わせて店員はマニキュアを塗っていく。 一番手前の子は全ての指の色を変えてもらっていた。 塗り終わったら砂時計で計りながら乾かし、それからネイルシールを貼る。 シールは一人ふたつまで。 このネイルシール、今月から始まった新しいオプションだ。 シールを貼った爪は上からネイルコートを塗って乾かす。 |
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後でカナのネイルを見せてもらった |
さて、ちび姫ちゃんのビルメンテナンスが終わる前に、yuko_nekoさんは科学研究所の空きを確認した。 前の回が入ったばかりで今は待ち椅子が空だ。 もうじきちび姫ちゃんは終わるから、たぶん定員が全て埋まる前に並ぶことができるだろう。 科学研究所の研究員も、ちび姫ちゃんの希望リストに入っていた。 yuko_nekoさんは私に、「科学研究所ってどんなことをするの?」と聞いてきた。 「菌の研究をするんだよ」 「菌の研究・・・?」 そのとき私は嫌な予感がした。 体験してからのお楽しみとして、はっきり内容を言わない方が良かったような気がした。 6時23分、とにかくちび姫ちゃんはビルメンテナンスの仕事を終えて、yuko_nekoさんに連れられて科学研究所に向かった。 既に何人か並んでいたがまだ定員には達していない。 ちび姫ちゃんは科学研究所の待ち椅子に座った。 |
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カナのビューティーサロンが終わってしまうと、カナの次の仕事を探すため、見つかるまでレナの仕事風景が見られなくなる。 私はこの頃何度も2階の病院に足を運んだ。 前回の内視鏡手術の時同様、レナはなかなか姿を現さない。 とっくに前の回は終わって、開腹手術の手術室は無人だ。 私の他にも何人か、子供が出てくるのをやきもきと待っている親たちが窓ガラスの周囲にいるだけだ。 うーん、これはレナの仕事が始まる前に、カナのビューティーサロン体験が終わってしまいそうだぞ。 |
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仕方なく再びビューティーサロンに戻ると、ちょうどカナが終わって出てくるところだった。 えっ、どうしてちび姫ちゃんがいるの!? 科学研究所に並んでいたはずのちび姫ちゃんは、カナと入れ違いにビューティーサロンの中に案内された。 「ゆ、yuko_nekoさん、研究所に並んでいたんじゃなかったの?」 「嫌なんだって」 げーっ!! やっぱり菌の研究なんて言うんじゃなかった。 先入観は怖い。 でもやってみたら絶対面白いと思うのに。 私が子供たちに「やったことのない仕事が優先」と言うのは、どんな仕事でも面白いか面白くないか、やってみないと判らないと思うからだ。 現に今までにも、全然興味がなかったり、どちらかと言うとやりたくないと思っていたお仕事でも、やってみたら「凄く面白かった」「今日、一番気に入った」ということだってよくあったのだ。 最初から、楽しいかもしれないチャンスを捨てることは無いと思うのだ。 特に一回並んでしばらく待った後では、二重に待ち時間が生じて無駄が多くなる。 もちろん1度きりしかキッザニアに来られないかもしれないという子供であれば、選ぶものは違うかもしれないけど。 いやいや無駄なんて言っちゃいけないんだ。 これも勉強。 【実はyuko_nekoさんが科学研究所の内容を説明する前にちび姫ちゃんは「やめる」と言ったそうです。後から知りました。私の台詞のせいじゃないと知って、ちょっとホッ】 |
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ところで、前にも書いたがレナがずーっと一番やりたくないと言っていたお仕事は「幼稚園の先生」だった。 いつだかキッザニアで自分に一番向いていないと思った仕事は何? と聞いてみたことがある。 そのときのカナの回答は「パイロット」。レナの回答は「幼稚園の先生」だった。 「まだやったことのないお仕事は無し。だって向いているかいないか、まだ判らないんだから」 「じゃ、宅急便」 「何で?」 「方向音痴だから」 ・・・それは判る。レナは筋金入りの方向音痴で、笑えるエピソードには事欠かない。 ちなみに何故カナがパイロットが向いていないと思うかというと、もし操縦に失敗したら乗客全員死んでしまうので、そんなに責任の重い仕事はとてもできないから、なのだそうだ。 とにかくそのときに真っ先に挙げたぐらい、レナは幼稚園の先生を苦手としていたのだが、今日体験してみた結果、 「幼稚園の先生が一番面白かった!!」と宣言した。 ほらね。 |
今までピンク一色だったファッションデザイナーのユニフォーム。 最近ブルーがお目見えした。好きな方を選べるらしい(一番手前の子がブルーのユニフォーム)。 これで少しデザイナーを目指す男の子が入りやすくなったかな? |
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酸素ボンベに心電図モニター、点滴も用意されている |
ビューティーサロンのお客さん体験を終えたカナに、何がやりたいか聞いてみた。 「やったことのないお仕事なら何でもいいよ。何がやりたい?」 とりあえずビューティーサロンから大通りを中央広場方面に向かって歩いた。 カナは食べ物関係やカーエリアには未体験のお仕事が多いが、それ以外ではあまり残されていない。 「もうこの辺はやってないお仕事は無いかなぁ」 そう呟いたとき、カナが正面を指さした。 「この前レナがやったやつ。私もやってみる」 建設現場だった。 ここは定員10人と比較的多い。待つためのベンチは「く」の字型でまだ隙間が空いている。 カナがベンチに行くと、スーパーバイザーのおじさんが「5分待ちだよ」と教えてくれた。 カナの次の仕事が決まったところでレナの病院に戻ってみると、レナたち開腹手術班は既にユニフォームに着替えて待機していた。 |
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開腹手術のメンバーは(スーパーバイザーを除き)4名。 どうやら一人が執刀医になり、残りは分担して助手の仕事をするようだ。 ガラス越しで声は聞こえないが、スーパーバイザーは希望を募って、四人のうちレナを含む三人が執刀医に立候補したようだ。 ジャンケンして・・・男の子に決まった。 レナは鉗子を使ったり、縫うときに皮膚を押さえたりする役目になった。 |
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今回の手術は胃の腫瘍の摘出。 胃の下部にある腫瘍を取るため、十二指腸と胃の間をメスで切断し、次に胃の中央を切断する。 レナいわく、「最初から切れていたよ」。 そ、そうかい(汗)。 そして切断した腫瘍を含む胃を摘出して、元通り縫合する。 ・・・正直言って内視鏡手術のリアルさには敵わない。 でもこれだけ本格的にやるんだから、流石はキッザニア。 さて、カナの様子も見に行くかな。 5分待ちならすぐに始まるだろう。 病院と建設現場は意外と近い。 街時計の前を通り、一番端の階段から下を見下ろせば、もうそこは建設現場のベンチだ。 |
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キッザニア体験レポ 友達と一緒のキッザニア7へ続く
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