*03*
ビューティーサロン前のちび姫ちゃん |
レナのバスガイドやカナの新聞社の仕事がすぐに始まったので、そちらを行ったり来たりして気がつくと、時計は既に4時35分を回っていた。 慌ててちび姫ちゃんを探しに行く。 まずはパイロットが終わったら直行するといいとアドバイスしていたカーエリアを見る。 どこにもいない。 次回に狙っていたカーライフサポートセンターは、次の子供たちが既にユニフォームに着替えているが、まだ3人しかいない。 定員は4人だから、今ならすぐに次回に入れそうだ。 ばっちりじゃない。 でも肝心のちび姫ちゃんはどこ? まだパイロットが終わっていないのかと空港を見に行くが、既に次の子供たちが入っているようで初回は終わっている。 もう一度カーエリアに行ったがやはりちび姫ちゃんの姿は無い。 うろうろこの二つを行ったり来たりしてから、ようやく私はyuko_nekoさんの携帯に電話すればいいことを思いついた。 「・・・もしもし。今どこ?」 「ビューティーサロンの前にいる」 えっ。 何でビューティーサロンに? いや確かにちび姫ちゃんの希望の仕事にビューティーサロンも入ってはいたが、さっきカナが行って玉砕したように、今の時間じゃあ待ち時間が長くなって損だと思うけど・・・ |
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yuko_nekoさんに事情を聞いてみた。 何でもパイロットが終わった後一度はカーエリアに行ってみたのだそうだ。でも沢山並んでいるのを見て嫌になってしまったらしい。 「だってこの子ったら、あれだけ入場前に並んでやっと入れたパイロットだって、あと10分ていう時に、やっぱり抜けるとか言い出すんだもの」 「な、なんで?」 「目移りしちゃったんじゃない?」 ・・・そうか。考えたことも無かったけど、それは判る。 判るけど・・・ああ、だからカーエリアでも沢山並んでいるのを見て、もっといいところがあるような気がしちゃったんだ。 でもそうはいうけどこの時間帯、今日みたいに混んでいる週末は、ただ何となく行くところを探していると、どんどん時間だけが経ってさらに待ち時間が長くなる。 「でもね、もういいの。この子の好きにさせようと思って」 ゆ、yuko_nekoさん・・・・それって・・・それってきっと正しいんだよ。 私みたいに次はこれ、次はこれって子供を連れていっちゃうよりも、ずっとyuko_nekoさんの判断の方がキッザニアでは正しいんだよ。 結局ちび姫ちゃんは、ビューティーサロンやその他いろいろなところを回って、自分のやる気と待ち時間の折り合いがつかず、4時40分、再びカーエリアに戻ってきた。 カーライフサポートセンターの待ち椅子は空。 つまりさっき待っていた子供たちがちょうど仕事に入ったところ。 もし、さっき並んでいたらもうとっくに仕事に入れて、その後に次の仕事を探すことができたのだろう。 「でもこれで、彼女にも待たないとどこもできないっていうことが判ったんじゃないかしら」とyuko_nekoさん。 キッザニアは難しい。 キッザニアは難しくて単純だ。 |
カーライフサポートセンターの待ち椅子に案内されるちび姫ちゃん |
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レナのバスガイドの仕事は4時27分に始まった。 ちょうど始まると言うときに、もう一人女の子がやってきて二人でやることができた。 開園して30分経つ前に、二つ目の仕事を始められるとは随分と効率よく回っていると思う。 まず最初に挨拶の仕方と仕事内容を教わり、それからお客様を乗せて園内を一周する。 「挨拶の仕方はキャビンアテンダントと似ていたよ」 「ふぅん、それで一周だけ? 二周はしないの?」 「キッザニア一周コースだから二周はしませんよ」 レナはキッザニアの仕事内容を説明するときに限って、妙に丁寧で大人びた言葉を使うので、聞いていて噴き出しそう(ごめんよ)。 この日はバスの乗客もいっぱいいてやりがいがありそうだった。 |
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カナの新聞社の仕事も4時31分に始まった。 こちらもなかなか効率よいと思う。 新聞記者のお仕事は、まずミーティングから始まる。 仕事内容を教わり、取材先を決める。 取材先は一人一ヶ所。スーパーバイザーの方で割り当てる。 但し、例えば前にここは取材したことがあるなど変更の希望は受け付けてくれる。 そして、取材用のメモパッドを受け取ると、さあ取材開始だ。 ・・・といってもレナやちび姫ちゃんのことでばたばたしていた私が新聞社に戻ってみると、もう子供たちの姿は無かった。 えーとえーと・・・カナを見失ったぞ。 過去、取材中の新聞記者を見かけたパビリオンは・・・と、まず理容店をのぞく。 別の子が取材している。 テレビ局前も見る。 ここには今日は誰もいない。 お仕事紹介センターはどうだ? ここも違うみたい。 デザイン教室にも記者のベストの後ろ姿が。 またまた違う子だった。 基本的に新聞記者が取材に行くのは、比較的空いているパビリオンか、パビリオンの外に常時スーパーバイザーが待機しているところに限られる。 そうだ、2階にも空いているパビリオンがあるぞ。 やっと見つけた。 カナは幼稚園で取材していた。 |
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取材時間は10分間。 取材を終えたら新聞社に戻り、パソコンを使って記事を書く。 自分が取材したパビリオンがどういうところか紹介する記事だ。 書き終えた記事は新聞の一番目立つところに掲載され、プリントアウトされたものがもらえる。 新聞には他にもそれらしい記事が載せられて、本物そっくりに作られている。 記事作成時間は20分以内。 作り終えた順にお給料をもらって帰ることができる。 だから早い子は数分で作成するし、遅い子になると20分経っても終わらず、スーパーバイザーに適当なところで切り上げるようアドバイスされる。 新聞社の体験時間は短い子で20分足らずで終わらせられるが、最長50分掛かる子もいるわけだ。 新聞社は記事執筆のパソコンが8台なのでいっぺんに仕事のできる定員は8名となるが、取材と執筆を二組時間差で行えるので、やはりだいたい30分程度で次の組が案内されるようだ(前の組の進行状況にもよるが)。 カナは書くのが遅いかなぁと思ったが、意外にも二番目に終わらせていた。 |
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こんなに混んでいる土曜日でも、たったの1人での体験・・・ビジネススクールにて。 うちはいつでも入れるからと思って、まだやってない。 |
4時57分。レナのバスガイドが終わった。 混雑している土曜日だけど開園1時間以内に仕事を二つこなしたことになる。 早い早い。 単純計算で、もしこんな調子で待ち時間0〜5分程度で5時間を回すと、全部で10コの仕事ができることになる。 間にクレジットカードセンターだのお仕事紹介センターだの理容店だの短時間で終わるものを組み込めば、12コぐらいこなすのも夢ではないことになる。 いや、夢だけどね。 小学生はほとんど土日や長期休みしか身動きとれないからさ。 そうなると平均4コ。 5〜6コで満足しなければ。 さて、初回〜2回目のお仕事は私が子供たちにこうしようと勧めた。 なぜならせっかく早く来て長時間並んだのだから、そのメリットを可能な限り、もう最大限活かしたかったからだ。 でもおかげさまで元はとれた。 3回目からのお仕事はも〜う自由に好きなところに行っていいよ。 「幼稚園行ってみる」 えっ、いいの? レナ。 |
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キッザニア体験レポ 友達と一緒のキッザニア4へ続く
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