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キッザニア東京の印刷工房作業中 ポスターをデザインするお仕事



カナはもう印刷工房のお仕事に入っていた。
入り口のドアに貼ってあった開始時間が正しければ、6時30分、つまりレナが食品開発センターの中に入った時刻とほぼ同じ頃に仕事を開始したことになる。

カナは隣の席になった女の子とすっかり意気投合し、同じビューティーサロンをテーマに選んでいた。
(レナと同じで自分が未体験のお仕事だ)

パソコンを使ってポスターをデザインして、プリンターで印刷する。
印刷が終わった人からみんなの前で工夫したポイントなど発表する。
カナのポイントは、模様を横に繋げて並べて、レース模様のように見せたことだった。使用できるビューティーサロンの写真も三枚あったが、そのうち二枚をサイズを変えて配置したことや、お洒落が好きな女の子をイメージしてピンクと赤でまとめたことなども巧くできたと言っていた。

し、しかし印刷工房は写真撮影するのが難しいね。
一面ガラス張りのレナの食品開発センターと違って、こちらはそれほど大きくない格子のはまった窓から斜めに見ることになる。
実際撮影してみたら判ると思うが、奥の方に座っていると本当に僅かな隙間から撮影チャンスを狙うことになる。
カナもレナも奥の方に座っていた。
正直、よくこれだけ撮れたと思ったくらい。
キッザニア東京のビューティーサロンのポスター



キッザニア東京の食品開発センター レナの方に戻ってみよう。
「(スノードライから出ている)煙の所だけ袋に入れてみようか・・おっと、固まりまで入っちゃったぞ〜」
スーパーバイザーはコメディアンよろしく、ご飯と具の入っている袋にスノードライを入れた。
袋は軽く洗濯ばさみのようなもので留められ、みんなは保護者の観覧するガラスの方を向いて、いっせいに振る。
「振って、振って、振って〜!!」
スーパーバイザーのお兄さんの合図で、耐熱手袋をした手でみんな渾身の力で振りまくる。

スノードライはドライアイスのさらさらしたものだと思えば良い。二酸化炭素をマイナス78.5℃の固体にして作られたもので、これを温かいご飯の中に入れて振ると、一斉に気化し、瞬時にご飯の温度を冷却する。
こうして冷凍食品は作られているのだ。
うーむ。親も勉強になるぞ。



冷凍食品を開発する 振って



キッザニア東京の幼稚園前
幼稚園前で見かけた姉妹
一瞬うちの娘たちかと思うほど、背格好が似ていた
今日はうちの子たちは違う髪型だけど

あっと、このとき私は椅子を見つけて二つ目のロール寿司を口に入れた。
今回は一気に食事をする時間すら取れないみたい。
さて、GWで混雑している今回、カナは10〜15分待ちでまあまあ巧く回しているが、レナは1時間待ったりして決して効率よく回せているとはいえない。
既に印刷工房と食品開発センターでまるまるお仕事ひとつ分差ができている。
(もちろん本人がやりたいものをやるべきなので構わないのだが)

基本に戻って考えてみると、大半のお仕事の拘束時間が30分前後。
園内にいられる時間は5時間。
すると、最初のお仕事をして、終わると他でもすぐに次の仕事が始まってしまうので、30分待つ。そして次の仕事を30分して、また30分待つ。
これを繰り返すとすると、5時間割ることの(体験時間30分+待ち時間30分)で、5つのお仕事ができる計算になる。
しかし、当然途中でずれが生じてくるから最後はまるまる1時間は残っておらず、しかもラスト1時間を切るとあちこちのお仕事が募集終了してしまうため、平均数値は「4」となる。

何が言いたいかと言うと、混雑している日は、ラッキーに恵まれるか意識して要領よく回らないと、平均して4つの仕事しかできないことになる(空いている日は別)。
現実に前回、まさにその状態だった。

今回もレナはそうなりそうな予感。
どこかでそれを打破できるか?

→打破ポイント
  • 目の前の興味のあるお仕事だけじゃなく、待ち時間が短く、体験時間も長くはなさそうなものをあえて途中に組み込む(理容店、観光バスのお客、デザイン教室、クレジットカードセンター、お仕事紹介センターなど)
  • タイムスケジュールが決まっているものを予定に組み込み、それに合わせる。特に劇場など楽屋集合関係は募集人数が多いのでお勧め。また、ライヴステージ、スポーツクラブは人数も割と多く空いているのでお勧め



実はこのとき、既にサウンドシアター募集時間まで45分を切っていた。
二人が今の仕事を終える頃には30分を切っているはずだ。

今日の混雑から考えると、二人がサウンドシアターの前に何かお仕事を入れるのは無理だ。体験に30分、待ち時間が要領よく少ないところを探しても10分として、40分は必要。体験時間が短いソフトクリームやボトリングは待ち時間が1時間以上だろうし。

・・・いや、待てよ、もしかして・・・。

理容店の前にやってきた。
ここはひげをつけたり剃り落としたりできるパビリオン。
当然カナもレナも「ひげなんか嫌だ」と未体験。
でも男性に見えるようなひげじゃなくて、可愛い猫のひげでもOKだ。
猫になるなら、いいと言うかもしれない。

案の定、理容店には誰もお客さんがいない。
店長のゴンベさんが店の前に立って誰か来るのを待っている。

「あのう・・・ここはひげ抜きで、音符やハートだけ描いてもらうというのは有りですか?」
ゴンベさんはにこやかに、「それはできないんですよ。ハートなどはひげのおまけです」と教えてくれた。
「うちの子供はひげを描くのに抵抗があるみたいで、まだ理容店に入ったことがないんですよ」
「ひげを嫌がるお子さんは多いですよ。それにキッゾを払うことに抵抗がある子もね」
他にもいろいろなお話をしてくれた。
ゴンベさんはとっても面白い人だ。
キッザニア東京の理容店入り口



キッザニア東京の理容店に入る カナの方が先に仕事が終わった。
「あと30分足らずでサウンドシアターの受付だよ」
「もう並びに行かなくちゃ駄目?」
「いいところを探してきたよ。理容店ならサウンドシアター受付前に体験できると思う。猫のひげでもいいんだよ」
「間に合うならどこでもいい」
そこで急いでカナの手を引き階段を降りた。

もしさっきゴンベさんと話をした後に、誰かお客さんが入っていたらもう間に合わないかもしれない。
急いで食べ物関係のパビリオンの前を抜け、中央広場に向かった。
中央広場もとても人が多い。
かきわけるように進んだ。

あっ、大丈夫みたい。
まだゴンベさんがパビリオンの外にいる。

「お、お願いしま〜す」
息を切らせながら娘を紹介した。
「どうぞお入り下さい」
ゴンベさんは理容店のガラスの扉を開けた。



カナは予想を裏切ることなく、猫ひげを選んだようだ。一応カタログから選べるようになっている。
色は黒、茶、赤の3種類。このうち2種類を指定することができる。
ひげは顔に描く(塗る)のではなく、皮膚にぬっても大丈夫な糊のようなもので形を描き、毛糸を粉のようにしたものをその上に乗せていく。
立体的でリアルなものだ。

このひげは描いて記念写真を撮った後、その場ですぐに剃り落としても良いが、ひげ姿で他のパビリオンを体験してまた理容店に戻り剃り落としても良いし、好きなときに自分でふき取ってしまっても、自宅に帰ってから剃り落としたりふき取っても構わない。

理容店で剃り落とすときは、本格的にひげ剃りムースをつけて専用剃刀で落とす。
専用剃刀は歯の所がシリコンのようなものでできていて、とっても安全。
柄の色はピンクや水色など何種類かあって、そのうちひとつを理容店体験のお土産として持ち帰ることができる。
キッザニア東京の新聞記者取材中
ちょうど新聞記者が取材に来たよ



キッザニア東京で作った冷凍チャーハン カナが理容店でひげを描いてもらっている間に、レナの食品開発センターも終わった。

姉が理容店で猫ひげを描いてもらっていると言うと、案の定、「私もやる」。

理容店は座席が二つあるので、もし二人一緒に連れて行かれたら一緒に描いて一緒に写真を撮ってもらえたと思うのだが、時間差になってしまったのでもう間に合わない。

カナが理容店でひげのついた顔を撮影してもらったり、鏡を見ながら剃り落としたりしている間に、レナは理容店前のテーブルで食事をしてもらうことにした。

カナがレナにためにと取っておいた料理スタジオのウサギと、さっき食品開発センターで作ったばかりのチャーハン。
スノードライで冷却した冷凍食品は、最後にレンジで解凍してくれるのだ。

レナは半分ほど食べると、後はカナにあげてと言った。

そしてひげを剃り落としたカナが理容店から出てくると、交替で中に入っていった。



理容店の猫ひげ 理容店でひげそり体験


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