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三人一緒に行くなら、なおさらのこと目的のパビリオンには子供たちを迅速に並ばせないとならない。一人に関わっていると、もう一人が定員オーバーになってしまう。 私たちはスタッフ以外誰もいない中央通路を突っ切った。 通路を抜けると正面にピンクのストライプが目立つソフトクリームショップがある。 「レナ、あそこに並んで!」 まだ誰も来ていないソフトクリームショップを指さし、今度はカナの手を引いてお菓子工場を目指した。 ところがレナが並ばずに戻って来てしまう。 私は今度はカナに目の前に見えているお菓子工場を指さして「あそこに並ぶんだよ」と言い、再びレナの方に戻った。 「レナ、ソフトクリームをやるつもりならちゃんと並んで。こっちに来ちゃ駄目だよ」 そしてレナをもう一度ソフトクリームの前まで連れていき、振り返ると、あろう事かカナがまだ目の前にいた。 な、なんであんた、こんなところにいるの〜!!? |
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「だってレナが・・・」 レナがじゃなくて、あなたはお菓子工場に行くんでしょ? カナはおろおろした顔で再び自信なさげにお菓子工場の方に引き返した。 とぼとぼというゆっくりした歩き方だったが、反対側からどっと走るようにお菓子工場めがけて来る一団を見て、ようやくことの重大さが判ったように慌てて列に向かった。 もう一度レナにソフトクリームの方に行くよう噛んで含めるように伝えて、私もお菓子工場に向かった。 ひとり、ふたり、さんにん・・・大人も沢山いるのでいまひとつ正確な人数が判らないが、初回のメンバーが座るはずの椅子は既に満員でその他にも周りに子供たちが何人もいるように見える。 この期に及んでもカナはおろおろとこちらを見るばかりで自分からスタッフに待ち時間を聞こうとも自主的に列のラストを探して並ぼうともしない。 「とにかく列に並んで!」 でもカナにしてみたら、もう初回に入れないのは判っているのでなおさら自分がどうしてよいのか判らないらしい。 私自身もショックで頭を抱えてがっくりとその場にしゃがみ込んでしまった。 「カナ、判ってるの? どうして並んでくれなかったの? 何のために11時から長い時間並んだと思っているの?」 思わず言ってはいけない台詞をはいてしまった。 うんざりするほど待った時間がすっかり無駄になってしまったと思った。 |
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ようやくカナは列らしいところに並び、スタッフの指示を待った。見たところ、6人定員の8番目だ。 「どうしてあなたは・・・まったく、最初の時点では十分初回に入れたのに、うろうろしているから」 「・・・一組目に入れたよ」 ・・・ 「えーーーーーっ!!」 なんとカナの前の子供は兄弟で、一緒にできないなら二人で次の回に回ると言い出したらしい。 次点はカナだったので彼女は一組目の最後の一人に入れたようだ。 信じられない。びっくりだ。 レナの所に戻ると、レナもまだうろうろしていたが、とにかくソフトクリームショップは誰も来ていなかったので、こちらはこれから並んでも余裕だった。 やっぱり恐るべし、お菓子工場。 改めてレナを並ばせて戻ると、開場から数分しか経っていないのに既に三組先までぎっしりと並んで、次から次へと新しい子供たちが押し寄せていた。まだソフトクリームには誰もいないのに、だ。 とにもかくにも一度は駄目だと思ったが、何とか二人とも当初の計画通り初回に入ることができたみたい。 心臓に悪い〜っ。 |
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後から考えると、レナが目の前のソフトクリームに並ぼうとしなかったのには理由があった。 もう開場時間になっているというのに、ソフトクリームショップはまったく準備が整っていなかった。 並ぶところは閉鎖され、段ボールなどが見えるところに出たままになっていた。スーパーバイザーのお姉さんたちはそれらを準備するのに忙しく、うろうろしているレナがここに並びたがっているということに気づかなかったのかもしれない。 ついでに言うと、ソフトクリームショップの看板すら1部終了そのまま「募集終了」の札になったままだった(レナがそれを読んだとは思えないが)。 そういうわけでどこにどう並べばソフトクリームができるのかレナには判らずパニックしていたらしい。 レナは列に並んだ後も一人ぽつねんと待っていた。 二人目が並んだのはそれからおよそ15分後。 その後は急激に増えてきて、気が付くと3回、4回先ぐらいまで列は伸びていた。 右の画像はハンバーガーショップ。お菓子工場をのぞき今回は最初は空いているように見えた。まあ実際、土日よりは空いていたよ。 |
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開場してから10分後ぐらいに一周してみたが、お菓子工場がぶっちぎりで、他はだいたい初回定員からあと少しはみ出すぐらい。 ピザも三列目まで埋まっていなかったし、キャビンアテンダント、パイロット、警察署、消防署も初回いっぱいか、数人のオーバー程度。 ボトリング工場は人数を増やす日もあるようだが、今日は定員4人で回すようだ。 まあこの辺の安定した人気パビリオンは開園時間にはもう少し列が伸びている。 左の画像はデザイン教室。 こことラジオ局は、体験でエコ・スタンプひとつ、さらにお土産(作品)の袋を断ることで合計二つのスタンプがもらえる。 入場時のマップを断っていればこれだけでスタンプ三つがゲットできるね。 下の画像二枚は開園10分前の3時50分頃の撮影。やっぱり空いている。 |
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いよいよ鐘が鳴り響き開園と同時にスタッフのキッザニアダンス。 お菓子工場もソフトクリームショップも開園前に初回メンバーはユニフォームに着替えているが、それ以上は進んでいない。 混雑した土日なんかだと、フライング気味に手洗いや練習を始めるパビリオンもあるが、今日はキッザニア側も空いていると思っているのか、どれも時間通りにスタートするようだ。 準備こそ遅れていたが、ソフトクリームショップのスーパーバイザーは決して感じは悪くない。 「今はチョコ味ですが、ハートフルキッザニアが終わればまた元の味に戻るので、また体験しに来て下さいね」と親切に教えてくれた。 |
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カナのお菓子工場はハイチュウを作る。 市販されているハイチュウとは違い、シートをまるめてちょんちょんと切る円筒形のハイチュウ。 現在はグリーンアップル味。 やはり平日なので圧倒的に幼稚園児が多いが、それでもリピーターが多いのか、混じっている大きめのお子さんたちも恥ずかしがらずに真面目にお仕事をやっているた。 カナももうキッザニアはどういうところか判っているので、小さい子が多くてもそれほど気にならないようだ。 でも最初の頃はずいぶん気にしていたよ。 |
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上の二枚はレナのソフトクリーム作りの様子。 コーンを取ってソフトクリームを絞り出す。 スティックを差して、ココアパウダーをトッピング。 パウダーは小さじに一杯と決められている。 完成したらすぐ隣の試食コーナーで食べられる。 私も一口もらったけど美味しかった〜。 ところがここでまた、私の完璧な計画に齟齬が出た。 ソフトクリームの体験はおよそ10〜15分となっている。しかしこれには試食時間が含まれない。 4時14分に作り終えたレナは、のんびりのんびりソフトクリームをなめていて、なんと食べ終えるまでに13分を費やしてしまった。 ソフトクリームは早く終わるから初回に持ってきたというのに、このままでは他の30分掛かるパビリオンと終了が一緒になってしまう。そうなると最大の課題、デパート店員が危うい。 ど、どうする? |
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レナの体験中もちょくちょくデパートの様子をチェックしに行っていた私。 デパートは特殊なパビリオンで、初回のみ4名募集のディスプレイの仕事、2回目からは2名募集のレジの仕事になり、中盤の6時半(1部なら12時半)の回で募集を終了してしまう。つまり後半になるともう仕事のできない珍しいパビリオンなのだ。 人気の程度は決して高くないが、募集定員が少ないこととタイミングが合わなかったことで、これまでレナは何度も涙を呑んできた。 本当に凄くやりたがっていたのだが、いつも後回しにしては、募集終了を迎えていた。 今日は、といえば、初回は全然人が集まらなかった。4時の開園時間を過ぎても誰も来る様子がない。どうやら最初の子供がやってきてようやくお仕事がスタートした時間自体が既に15分過ぎぐらいだったようだ。 しかも最初は定員割れだ。 これは楽勝かと思われた。 ・・・ところが、ここがキッザニアの判らないところだ。 レナがようやくソフトクリームを食べ終えた4時27分頃。 なんと中で仕事をしている初回のメンバーはなかなか決まらなかったというのに、既に次の定員2名は決定して並んで待っているところだった。 デパート初回の子供たちがディスプレイをしている |
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・・・運が悪い。 ここでまた、後で来ようと他の仕事に移れば、これまでの二の舞になりかねない。 姉のカナがお菓子工場を終えて妹のデパートにショッピングに来る計画も頓挫する。 しかしここでデパートの列に並ぶと、次のそのまた次の回になるから最低30分待ちプラス、現在仕事をしている初回が15分遅れでスタートしているから、下手をしたら45分以上の待ち。 効率悪すぎ。 ・・・悩みどころだ。 さあ、いったいどうすればいい? ちょっと珍しい光景? キッザニアの渋滞。 一番先頭が黄色いはとバス、その後ろに宅急便と救急車。さらに画面に写せなかったが右に消防車がいる。 |
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