*10*
せっかく組み立てたキッザニアスカイタワーを解体したり、キッザニアブリッジを解体したりという準備が終了して、すぐに建設現場の仕事は始まった。 8人の定員は、この回は半分の4人しか揃っていない。 仕事内容はタワーとブリッジの二種類があって、希望を取ったところちょうど半分に分かれたようだ。 カナは橋を選んでいた。 「だって橋作りの方が面白そうだったんだもん」 この時点で時刻は7時23分。 閉園まで1時間半と少し。 |
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キッザニアスカイタワーの上に乗せる部分 |
タワーチームはこのクレーンを操作するのかな |
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カナの建設現場の仕事が順調に進んでいるので、二階のレナの様子を見に行った。 さっき名刺屋に入ると言っていたのだから、名刺屋を体験しているはず・・・ ・・・名刺屋。 ・・・名刺屋? わが目を疑った。 ええ〜っ どーしてまたアナタ、名刺屋じゃなくて筆記具屋にいるのーっっ?? ワケがわからな〜いっ!? |
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えっ、ちょっと待って。 何があったの? 時間が巻き戻ったの? タイムスリップしたの? んなわけないか。 一緒に体験しているお子さんもさっきとは別の子みたいだし。 びっくり仰天して口もきけずにいる私にスーパーバイザーさんが教えてくれたのは、 「ちょうどさっき筆記具屋が終わった時に、次の回の筆記具屋が空いていたので勧めてみたんですよ。本人がもう一本作りたがっていたし、いつもはとても混んでいる筆記具屋がこんなに空いていることは珍しかったので」 ・・・という内容。 つまりレナは連ちゃん、筆記具屋を立て続けに二回体験したわけだ。 「いつも筆記具屋は混んでいるんですね」 「そうなんですよー、120分待ちも珍しくないです」 「最大何分待ちまで記録したことがあるんですか?」 「・・3時間45分待ちですかね」 唖然。 「よくお子さん、待ちましたね・・・」 「親御さんの方が、どうしてそこまでしてやるのかと嘆いておられました」 |
で、二本作って、二本目は誰の? と期待してスーパーバイザーに聞いたら、お友達の分だと言っていましたよと言うのでガクーッ。 い、いや、お友達は大事だ(汗)。 |
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カナの方はそんなことはつゆ知らず、せっせと橋を組み立て中。 | ||||
カナとしてはとても不思議だったらしい。 釘も接着剤も使わず、単純にはめ込むだけで、人が乗ってもびくともしない丈夫なアーチ橋ができることが。 |
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二本目のボールペンを作り終えたレナは、「何で来ちゃったの? あれほど来ないでって言ったじゃない」と言った。 「で、筆記具二本作り終えて、今度こそ名刺屋に入るの?」 「名刺屋には行かない」 「へ?」 ますますわけが判らない。 「名刺屋に入るって言うのは嘘だったの。ママを来させないための。だから名刺屋に行く必要は無いの」 「???」 「だから次の仕事を探しに行こっ」 なんだかさっぱり事情が呑み込めないが、とにかくわざわざ次の仕事を探しに行くぐらいなら、改めて名刺屋に入ればいいんじゃないのー? だって、今、名刺屋無人だよ。誰もいないからすぐに始められるよ。 もうすっかり顔なじみになった新商店街のスーパーバイザーさんたちが「どうぞ〜」と言うのでレナもその気になったようだ。 しぶしぶというパフォーマンスをしながら、でも顔はまんざらでもないようで、グレーのエプロンをつけると今度は名刺屋に入っていった。 |
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このとき辺りを見回すと、新商店街一角は驚くべき空き方をしていた。 レナの回が終わって、またもや筆記具屋は無人。 隣の絵の具屋も無人。 名刺屋も無人だったからレナが一人ですぐ始められた。 それだけじゃない。 さっきまでそれなりに混んでいたおもちゃ工房も定員4人なのに1人での体験になっていて、次の回に並んでいる子供はいない。 さらにもっと混んでいて45分待ちだったはずのフットボールスタジアムも定員6人なのに2人での体験になっていて、やはり次の回に並んでいる子供はいない。 だいたいこの筆記具屋・絵の具屋・名刺屋の三軒が完全に空っぽになるなんて考え難いのでは!? |
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名刺を作り終えたレナは、パビリオンから出てきて私に何かをハイと渡した。 それはさっき作ったばかりの三色ボールペンだった。 あれ? これって友だちの分じゃなかったの? 「だってママもほしいって言ってたじゃない。ちゃんと『よしか』って名前を入れたよ。これを内緒にしたいから、名刺屋に行くって嘘ついて見られないようにしたのに、嘘のつもりが本当に名刺屋やることになっちゃうんだもん」 ・・・しかも母の名前を入れてくれたのは、先に作ったシルバーのペン。 ということは、もう本当に最初から母の分を作ってくれるつもりだったんだね。 泣かせるじゃん。 |
筆記具屋のペンには、ひらがな・カタカナ・アルファベット・ハートマーク、音符マークなどを刻むことができる |
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キッザニア東京体験レポート 意外に空いてる日曜日11へ続く
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