しび荘のごちゃごちゃと民芸品が並んだフロントで「すいませーん」と声を張り上げても誰も出てこない。
カウンターをよく見たら「ただいま席を外しております。御用の方は正面玄関の先の調理室までお尋ねくださいませ」という札が置いてあった。それじゃここで呼んでも駄目だ。
調理室に行き声を掛けると、上品な雰囲気のおばあさんが出てきて受付をしてくれた。
お風呂は渡り廊下の先だから、ゆっくり入っていってくださいねと。
渡り廊下は庭を突っ切るような形で浴室棟に続いていた。
男女別浴室の先に露天風呂の表示があったので先にそっちへ行ってみる。
露天風呂は使用中の札を返して自由に使えるタイプの貸切風呂だった。
パパは手を入れてぬるすぎるから内湯に行くとつれない台詞。
せっかく川沿いの露天風呂だから自分は一人で入っていくことにする。
しかしこの露天風呂から建物の方を見ると、旅館というより民家にしか見えないね。
脱衣スペースも大変適当な感じ。
お湯の色は無色透明か、あるいは濁りの無い明るい青緑色。
湯口でゆでたまご臭がして、味は苦味がある。
とにかくここもオイルを引いたようにぬるぬるというかずるずる滑る系。
川は見えるけど柵もあるし、とにかく露天風呂はかなり狭い。
ぬるいこともあって、上がって服を着るまではちょっと寒かった。