吹上温泉湖畔の宿みどり荘は、大正から昭和初期に掛けての歌人 斉藤茂吉がいたく気に入り、神々の宿と称した宿であり、また二度映画化された「清作の妻」で知られる作家 吉田絃二郎ゆかりの宿でもある。
同時代の文人である二人がそれぞれみどり荘に滞在して詠んだ短歌や俳句もいくつかあり、露天風呂の周りなどにも歌を記した木製の短冊が飾られている。
またこの宿は太平洋戦争時、多くの神風特攻隊員を見送った宿でもあった。
隊員たちは最後の夜をここで過ごし、旅立っていった。
湖畔に残る観音堂には隊員たちの遺品の一部が供養のために納められている。