火之神公園は花渡川の西岸岬に向かって南下した突端にある公園だ。
海岸沿いに車を走らせていると、また桟橋の向こうにうっすらと遠く開聞岳が見え始めた。
みるみる海に突き出した立神岩が近づいてくる。
最初、枕崎に入る時に見た時とは角度が違うので、もうサメのヒレのようには見えない。
何も調べていなくて急に決めたので、公園の駐車場がどこにあるのか判らなかった。
公園内に入って車一台分の幅の細い坂道を登って、本当にここ、車で進んでいいのかな、さっきあった駐車場に停めて歩いてこなきゃいけなかったんじゃないかななんて迷っているうちに展望所のような場所を見つけた。
私は車を降りて、パパは下に車を置いてくることにした。
しまった、こんな時に限って望遠レンズを車に置いたままだった。
でも気になったのでもうちょっと坂を上ってみたら別の駐車場みたいなものが見えた。
それでスマホでパパに電話をしたんだけど繋がらない。
何度か掛け直していたらパパが車で坂を上ってくるのが見えた。
「上にも駐車場有ったよ」
「うん、調べたらあることが判ったから車で戻って来た」