◆◇レンタルキャンピングカーで北海道◇◆
北海道キャンプ旅行記
さらに進むとトンネルが見えてきた。トンネルの手前に右に入る細い道がある。
とにかく海沿いだと思っていた私は訝しるパパの意見をよそに右の道だと言ったが、右の道に入ったらそこは行き止まりだった。
道はあるにはあるのだが、プラスチックのコンテナを伏せた適当な通行止めが前方を塞いでいて、塞がれた先は荒れ果てていた。
うーんやっぱりトンネルなのか。
行き止まり・・・やっぱりトンネルが正しい道だったのか
トンネルを抜けると鄙びた漁村の雰囲気が待っていた。
小型の漁船が係留してある入り江の先に海に突き出した小高い丘があり、そのてっぺんに赤と白のかわいい灯台が建っている。
ここが高島岬のようだ。でもどこにも岬の名前は書いておらず、地名の祝津、またはおたる水族館の名前が。
そう、最初にパパがカーナビに入力しようとしていたおたる水族館は高島岬にあった。
小樽の街中じゃなくて、行こうと決めた祝津の高島岬にあったなら、何も考えずそのままおたる水族館を目指せばここに着いたんだね。
あとこの岬には鰊御殿がある。
駐車場に車を入れるとすぐその上が鰊御殿のようだった。その灯台が建っている丘の中腹に見えるお屋敷がそれだ。
特に何が目的というわけでもなく高島岬にやってきたので、とりあえず鰊御殿を見学することにした。
駐車場からは鰊御殿近道と書かれた斜面の遊歩道があり、そこを歩いていると風に乗ってこの景色にめちゃめちゃ不釣り合いな高いトーンのお姉さんの声が聞こえてきた。
「はーい、みなさーん、今からショーを始めますよー」
どうやら近くにあるおたる水族館のイルカショーか何かの司会の声らしい。スピーカーで拡声されてすぐ近くで話しているかのように聞こえる。
背の高い草の間を断崖に建つ古い屋敷を目指して登っていく・・・という雰囲気のぶちこわし感がなんともいえない。
道は思ったよりも急で息が切れた。
下から見た時はそんなに高くは見えなかったが、登ってから見下ろすとここがかなり高い位置なのだとわかった。
御殿は近づいてみるとかなり大きな建物で、周辺に植えられている草花は綺麗に手入れされていた。