10.エピローグは雨の中・・・
空は灰色。
雨は激しい。
中途半端な時間だが、昼食を食べに平湯バスターミナル隣のよし本という店に入った。ここは去年の
高ソメキャンプ旅行でも、二度利用した店だ。
蕎麦と飛騨牛が売り。店内はセンス良く、味もとても美味しい。
山菜蕎麦とカツ丼を頼んだ。
子供たちは店のどこかで鳴く鈴虫が気になって仕方ない。
食べているとふいにポーンとテレビが音を立てた。
ニュース速報かと思って、店の一角に備え付けてあるテレビを振り返れば・・・・
「気象情報」
なになに? 気象情報の速報とは台風関係かしら。
流れる字幕を読めば・・・
岐阜県全域に大雨・洪水・暴風警報
ぎ、岐阜って、つまりここでしょ?
信じられないタイミング。
だってさっきまで日が出ていたよ。
何もかも全部終わって、さあ帰ろうと思ったら、まるで堰を切ったように大雨が降ってきた。
計ったってこうは上手く行かないよ。
以前もこういうことがよくあった。
カナとレナを連れて旅行に行くと、旅行中は天気に恵まれ、帰路に就くと同時に雨が降り出す。まるで待っていたかのように。
そうして晴れ一家は、バケツをひっくり返したような土砂降りの中、東京へ帰還した。
おしまい
なお、今回の旅行でキャンプファイヤーと
新穂高温泉佳留萱山荘にご一緒させていただいたyuko_nekoさんの
旅行記はこちらで読めます。これと読み比べてみるのも面白いかも。