1.榛名湖三昧の日にしよう
二日目 2004年2月22日(日)
予報では今日は曇り、明日は雨だと思っていた。
それが目を覚ますと紺碧の空が広がっていた。天気予報は外れて、今朝の山上湖は快晴。
どうしても行きたいという場所も無い。
予定も都合も特に無い。
子供たちは一日この湖の見えるおうちにいてもいいと言う。
榛名湖で一日過ごせる最後の日。
今日はずっと湖の見える場所で過ごそうか。
榛名山はいくつかの頂が集まって全体を成しているが、主峰は榛名富士。ひときわ整った山容を持つ標高1,391mの山だ。
この頂上までロープウェイが通っている。今まで特に登りたいとも思わなかったのだが、榛名湖最後の旅行に相応しい行き先ではなかろうか。
榛名湖に来たばかりの頃に登れば、ああ綺麗だねで終わってしまうかもしれないけど、今は見下ろす景色の一つ一つに思い出を見出せるかもしれない。
榛名山ロープウェイの高原駅は思ったより混んでいた。昨日あれだけ観光地に振られ続けたので、もしかしてこのロープウェイも冬季休業では?と思ったくらいだったが、予想外に朝10時の便が山上に向けて出発したとき、日本初という15人乗り2両連結式ゴンドラは、ほぼ満員だった。
空は益々晴れ渡り、見上げる山頂は雲ひとつ無い。
ただもう、真冬の凍てついた透明な空ではなく、春めいた霞んだ空だ。
カナは一人で外が見られるが、レナはまだ背が低いので抱っこしないとゴンドラの窓に届かない。
高度が上がると、今まで見慣れたはずの湖は小さくなり、後ろから雪をかぶった浅間山がせりあがってきた。