4.金島温泉到着
2時ちょうど。
金島温泉富貴の湯、到着。
一郷一会のメンバーはまだ着いていないよう。
セメント工場の隣で、これまで何度か前を通りかかったことはあった。入ったことは無かったが、気になる施設のひとつだった。
入り口に飲泉所がある。
ちょっと飲んでみると、淡い塩味に甘さがあって、さらにわずかにしゅわっとくる感じがある。舌に引っかかるようなきしつきも。昨日の四万河原の湯みたいに鉄っぽい臭いが強い。
伊香保の手前で、午前中たっぷり雪遊びをしたレナが寝付いてしまったので、そっと抱き上げて休憩室へ運ぶ。
腕白怪獣にはこのまま少し寝ていてもらおう。
カナと二人で先に入浴することにする。パパがレナをみていてくれるというので。
脱衣所にも浴室にも先客が何人もいる。日曜日だし、地元の方も多いのだろう。年配者が多い。
内湯は縁が檜の浴槽。湯口にはコップがあり、ここから出るお湯は循環ではないと記載されている。湯面では鮮度の良い鉄の臭いが勝っているが、湯口からは淡い硫黄の臭いもする。わりと温めで浅いので、カナも嫌がらずに入った。
お湯はにごり湯。湯の中が見えないほどの濁りではないが、緑色と茶色の混じった色。茶色っぽい細かい湯の花。
寄りかかったら強烈に背中を吸い込まれた。あいたたた。同じ面に湯中からの排出口もあったので、内湯はオーバーフローあり加熱目的の半循環かもしれない。
露天風呂もある。四方を高く囲われていてまったく景色は望めないが、休むための椅子なども用意されていて、長湯ができそうだ。実際、長々と世間話に興じているご婦人の多いこと。
10度加熱してあると書かれているこのお湯は、ぬるいのにすぐにのぼせる、そして上がるとちょっと寒い。時間が経つとやっぱりほかほかしてくる。そんな感じ。
レナがいないとつまらないのか、カナは温まったらすぐに上がると言い出した。
浴室の入り口辺りですれ違い、ちょうど入れ替わりに入ってきた二人連れは…年恰好からしてもしかして…。
着替え終わると携帯にメールが入っていることに気づいた。
紺碧七さんからで、金島温泉に到着したという内容。やっぱり…。