2月8日(土)
パパは昨夜も残業。ぐったり疲れて帰ってきた。果たして榛名湖に行く元気は残っているかな?
いよいよ念願のわかさぎ釣りなのに。
パパが榛名湖に氷上わかさぎ釣りに行きたいと言い出したのは、一昨年の秋ぐらいだったか。定宿にしている榛名湖の宿を去年は1月に予約したが、残念ながらそのときは凍っていなかった。時期的に早かったということもあるけど、このところ暖冬で2月くらいにならないと結氷しないらしい。
今年は2月に予約を入れた。
今年の冬将軍は足早にやってきて、1月のうちに全面結氷。めでたく氷上わかさぎ釣りも解禁となった。
夜明け前。6時には東京を出発。
関越道に乗り、すぐ渋滞。群馬のスキー場のリフト類は朝8時ごろから動き出すため、特に6時から8時くらいまでが高速が混むらしい。仕方なく川越ICで降りる。
いつものパターンだと、朝7~9時くらいまでに前橋ICまで行き、
高崎天神の湯で一風呂と朝食、それから10時ごろのスーパー開店にあわせて食料の買出し。その後ちょっとどこかで遊んで榛名山を登る…という感じだったのだが、今回はすっかり予定が狂ってしまった。
「花園ICの先から吉井あたりで、朝9時ごろからやっている立ち寄り湯はない?」とパパ。
桜山温泉センターうしおの湯も藤岡温泉センターあずさの湯も朝10時からの営業だし、
吉井温泉牛伏の湯は9時からやっているが、年末に入ったばかりだし…。
群馬に行くのだから、資料も全て群馬関係しか持って来ていなかったが、待てよ、先月志賀高原に行ったときも渋滞で下道を通って、確か、254号線を児玉町に入ったあたりに、埼玉県で最も良いお湯かもしれないと評判の、
神流川温泉白寿の湯の看板が出ていなかったっけ。
(後でわかったことですが、桜山温泉センターはこのとき休業中でした。行かなくて良かった…)
というわけで、やってきました
白寿の湯。
相変わらず行き当たりばったりな我が家。
オープン時刻が判らなかったが、とりあえず行ってみたら、9時半からだった。現在時刻は8時50分だから、あと40分。中途半端な時間だけど、ここまで来たら入っていこうか。
40分、車の中でぼーっと待っているのもなんなので、近くの神流川の道の駅でトイレ休憩をすることにする。
道の駅のすぐ裏に、神流川が流れている。瑪瑙のような深い緑で神秘的な色だ。
車から降りて、子供たちは電車ごっこ。今日は暖かい日でぽかぽかしている。
9時20分くらいに
白寿の湯に戻ってきた。駐車場にも我が家に続いてちらほらと車が入ってくる。人気があるのだろう。
時間になってドアが開けられた。「お早うございまーす」と挨拶して一番乗りで入らせてもらう。
フロントで料金を払い、6人乗りのエレベータで2階へ。渡されたキーの番号で脱衣所ロッカーを探していると、ちょろちょろしているレナが常連さんたちの失笑を買っている。
一人ずつの仕切りがついているカランで、子供を軽く洗って早速お風呂へ…。
うーん、ウワサには聞いていたが、確かにスゴイインパクトだ。
お湯は僅かに緑がかった強烈なオレンジ色で、くらぶち相間川温泉を思い出す。
内湯は崩れていない赤茶色の湯の花が沢山ゆらゆらしていて、にごりは手足がうっすらと見える程度。
露天風呂はずっと濁りが激しく、手はうっすらと見えるが、足はまったく見えないほどだ。既に形をとどめていない粉のように細かいオレンジの湯の花が満遍なく濁りとなって湯を染めている。
臭いは海水風だが、有機物っぽい下水のような臭いが混じっていて、好き嫌いが分かれるところ。さわやかさより、少し澱んだようなむっとする臭い。
味は甘みもある雑味が強いしょっぱさで、汗みたいな感じ。臭いもだけどあまり綺麗でない例えで申し訳ない(笑)。
しかし、何よりここの一番のインパクトはコレ↓(下の画像)でしょ。
オーバーフローしたタイル張りの床を、さざなみをそのまま固めたように覆いつくしている析出物。半端でなくすごい。埼玉でセンター系という常識を覆す素晴らしさだ。ちょうど湯の流れるところだけにできているので、他はちゃんとタイルが残っていて、そのコントラストが笑える。
湯の流れるところはこうしたごてごてした感じだが、湯に浸かっているところはまた面白い触感だ。露天風呂の岩や、浴槽の底の部分だが、こちらは表面が滑らかになり、オレンジ色に染められ、ところどころ皹が入っている。その様子は、手触りといい、見た目といい、まさに鼈甲なのだ。石ではなく、まるで硬質プラスチックででもできているかのようだ。思わず何度も、すべすべと触ってしまう。
お湯は露天風呂は40度くらい。内湯もそれよりちょっと高い程度。それほど熱くない。深さは特に露天風呂が浅めだが、何しろ透明感が無いので最初は深度が判らず焦った。にゅるにゅるでもきしきしでもない、独特の肌触りがあり、浴槽の澱んでいるあたりは油膜も浮いている。
湯上りは自分の肌も、あの岩のように、鼈甲みたいな不思議なすべすべ感が残る。いつものようにレナは、気に入った湯からはなかなか上がろうとしない。パパとおねえちゃんが待っているよと説得してやっと上がらせた。
さて、ここまで来たら、そのまま下道を行こう。
前回のオフで、ひでさんやtakayamaさんに教えていただいたベイシアというスーパーが気に入ったパパは、店舗一覧をネットで調べてプリントアウトしてきた。ここからだとベイシア吉井店が近いのかな。ここで買出し。
次は昼食だ。
いつものように天神の湯に行かず、そこでの朝食も食べ損ねたので、車の中でコンビニのパンを朝ごはん代わりに食べたきりだ。
ガイドブックで、榛名町から榛名山を登る県道211号線沿いに鈴懸という山菜料理の店を見つけたが、どうしても見つけられない。さんざんうろうろした末、電話をかけてみたら「この番号は只今使われていません」とのこと。あきらめて梅香温泉のところでUターン、榛名山麓を登り続けることにした。
榛名神社の手前で、びくやという店を発見。
茅葺屋根で本格的な民芸調。
中に入ってさらにびっくり。外観も気合が入っているなと思ったら、中はさらに本格的なつくりだった。
いきなり土間になっていて、池もある。この水は飲めるらしい。囲炉裏もあるのだが、なんと太い生木を燃やしており、あたりに煤が舞っている。古いストーブや、大鍋、いろいろ道具がおいてあるのだが、どれも飾りできなく現役らしいのが凄い。
子供たちも興味津々。
パパはお手洗いを借りたら、外で、男性用は道から見えそうなつくりで、手を洗うところなんて川からホースで水を引いていたらしい。やることが半端ではない。
上の画像は、むかご飯と岩魚汁。下は群馬名物おっきりこみだ。
塩味で柔らかいむかごも美味しい。汁物は大きなきのこたっぷりに、この香菜は…。香りも鮮烈で、噛むとミントのような清涼感。判った、山椒だ。
前に榛名湖に来たときに、宿のご主人に自家製の山椒の漬物を食べさせてもらったっけ。榛名神社の参道でも売っていた。きっと榛名山名産なのだ。この山椒の実がたっぷり入っている。
おっきりこみは太いべろんとしたうどんのような、すいとんのようなもので、子供たちは美味しい美味しいと食べていた。食後にはきびだんご。
他にこの店のメニューには、山女の踊り食いなんてのもあった。面白いのでまた榛名湖に来たときにでも寄ろうと思う。営業は18時までなので、夕食をここで取るのは無理そうだ。
いよいよ榛名湖が見えてきた。
何度も来ているが、全面凍結した榛名湖は初めてだ。
うわーすごい。
白く張った氷の上に転々と見えるのは全部人、人、人。
冬の榛名湖は氷上わかさぎ釣りの人で大賑わいだ。今日なんて飛び石連休の初日で晴れて暖かいものだから、沢山の人が花が咲いたように氷の上を彩っている。テントやソリも見える。みんな楽しそうだなぁ。
榛名湖をぐるりと一周して、宿にチェックインする前にゴーカートでもしていこうかということになった。
ゴーカートというと、遊園地の乗り物だけど、冬の榛名湖では氷の上でゴーカートに乗れるんだよ。
駐車場に車を止めて、まずトイレを借りた。
そこで問題が発生。
私がデジカメを床に落として、何と壊してしまったのだ。
…3年以上使っていたかな。オリンパスのCAMEDIA C-860L。このサイトを作るにもずいぶんお世話になった。温泉の湯気にも負けず、今日まで働いてきた。ごめんね。ありがとう。
仕方ないので土産物店で使い捨てカメラを買った。
この旅行記はこれ以降、新しいデジカメを買うまで、画像は現像してからになっちゃう。みなさん、ごめんなさい。
気を取り直してゴーカートに乗ろう。子供たちは大喜び。
一人乗りと二人乗りとあって、一人乗りは3周で500円。二人乗りは2周で500円。
カナとママ、レナとパパで乗ろうか。
えっ? 二人乗りだけど、サービスで3周していいの? やったー。
カナはハンドル担当。アクセルはまだ足が届かないみたい。凄いね。自分で運転してるよ。氷の上なのに落ちないよ。もっとアクセル踏んでね。スピードを出そうよ。
レナはパパが運転。でも嬉しそう。風を切って走るのは気持ちいいね。
一遊びしたら、湖畔の宿へ。
荷物を運び出している間に子供たちはちょっと氷の上で一遊び。
不思議だね。いつも来ている榛名湖なのに、今日は凍っていて歩けるよ。
パパは夕方、氷を見に行った。
なるほど、他の人が開けた穴があるから、そこの薄氷を割って釣ればいいのか。
いよいよ明日は待ちに待ったわかさぎ釣りだな。
天気は夜のうちに降るらしいけど、朝には上がるって。
ね、早起きする?
つづく