榛名湖日記 その3 最終日  ◇榛名神社に行ってみよう◇


4月30日(火)

 今日から天気は下り坂になるという。うちの娘達はお日様を呼ぶのが巧い。外で遊ぶプランを立てると晴れて、帰る日にはよく雨が降る。

 榛名湖畔を離れて山道へ。いつものように榛名神社の表示が見えて気になる。
 「一度行ってみたいんだけど…」
 「じゃ、行こうか」


 なんだか参道の入り口にある参拝客目当ての食堂や土産物屋もレトロで時が止まったような感じ。


 非常に荘厳で雰囲気がある。
 火産霊神(鎮火開運)、埴山毘売神(五穀豊穣)の二柱の神を中心にお祀りしている。
 奇岩と杉の大木とに彩られた境内は、誠に感動的なので、本殿まで画像で紹介していこうと思う。


 坂と石段が多いが、各所からのびる景観に計算し尽くされたものがあり、次の角を曲がると、また次の石段を登り終えると、そこに何が待っているのだろうと常に期待させる。


 途中途中にある朱塗りのお堂にも素晴らしい彫刻が。


 面白いものもある。ここは桃太郎トマトの発祥の地らしく、これはそれを記念した碑らしい。丸い赤いものはトマトをあらわしている。


 そうかと思うとハケ・ブラシ塚。何かというと、使い終えたハケ、ブラシ、筆を奉納して焼却していただくものらしい。


 参道には七福神も。
 これは石楠花の奥にたたずむ弁財天。


 このあたりから石段が急になってくる。
 見上げると、そそりたつ岩を背景にお堂が。


 また見下ろせば、手水場の後ろには、龍に見立てた一筋の滝。


 石段を見上げると、巨岩の間に次のお堂が見えてくる。


 さらに角度を変えて昇る。双竜門。


 本殿到着。
 非常に重厚感がある造り。アプローチの見事さと相まって、タイムスリップしたような感じです。

 神社仏閣が好きな方、古いものを見るのが好きな方にはもちろんお勧め。そうでなくとも、これだけ雰囲気のある神社が観光客でごった返すことなく残っているのはなかなかどうして希有なことだと思います。

 再び車に戻って…。
 次の行き先は、碓氷峠の森公園交流館 峠の湯。手持ちのガイドブックなどは少し古く、どこにも載っていない。どこにあるのか今ひとつはっきりしないのが不安ながら、カーナビを碓氷峠へセット。出発。



 紙製のプリンセスセット、ティアラとペンダントと指輪二つをつけてご満悦の自称プリンセス・カナ。

 地図で松井田町の18号線沿いを調べていくと、小根山森林公園という名前の公園が見つかった。峠の湯と言うからには、横川のあたりにありそうな気がする。峠の森交流館という名称と森林公園という名称…なんだか関連がありそうな…。

 18号線を右に曲がり、4キロほど山道をくねくねと登っていく。
 どこにも峠の湯の看板がなく、道も細く険しいことから、どうもこれは不正解らしいと思い始めた。
 森林公園に到着し、公園の管理事務所に行くと、幸いそこに峠の湯のリーフレットがおいてあった。
 全然場所、違うじゃん(笑)。
 18号線をもう少し先まで進んでいれば看板もあったらしい。

 迷ったこともあり、到着は午後1時過ぎ。
 新しい施設だけあって、綺麗だ。めがね橋をイメージしたエントランス(そういえば先日行った近くの「碓氷峠鉄道文化むら」の入り口もめがね橋だった)。


 中に入るとすぐ、大きな売店がある。
 あえてレトロ感を出した駄菓子屋もあって、リンゴゼリーを買ってもらったレナはマラカスよろしく振っている。


 時間が時間なので、最初に食事かなと思ったが、カナがお風呂が先が良いという。

 男湯が和風露天風呂(下の画像)、女湯が洋風露天風呂だった。


 カナはパパと、レナが私と入ったが、空腹で寝起きのレナは機嫌が芳しくない。
 だましだまし体を洗って、露天風呂へ連れ出した。

 女湯の洋風露天は、ひょうたん型で、白っぽい大理石調の浴槽。
 薄い黄色のお湯はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(弱アルカリ性低張性温泉)。初日、二日目と割と塩泉系で、三日目は典型的硫黄泉。そろそろアルカリに入りたいなと思っていたところで、このにゅるっとくる感じが嬉しい。ちなみに、にゅるにゅる感は露天風呂では少ししか感じられず、内湯の方がかなり濃い感じだった。
 ひょうたんの両端サイドが階段状に浅くなっていてレナはそこがお気に入り。
 全体的に浅い造りで、子供にも安心。湯もそれほど熱くない。大人でも、浴槽の縁に腕を敷いて頭を預け、寝そべるような形で入浴している人が多い。しゃがんで入るより、その方が似合う、妙に古代ローマっぽいお風呂なのだった。

 風呂からあがると、ヘビースモーカーのパパが喫煙室から出てきた。
 この施設は徹底した分煙化を図っているらしい。和室休憩室も禁煙だ。喫煙室は見事に隔離されていて、完全にドアで密閉されるため、流石のパパもそこで吸う気にはなれなかったらしい。

 さらにここで特筆すべきことがあるとすれば、予約制の貸切家族風呂があるということ。3時間3千円だが、檜造りの浴槽がある浴室だけでなく、個室休憩室がセットなのだ。子供連れ、年輩者連れには誠にありがたいサービスだと思う。

 一階にレストランもあったが、二階の和室休憩室でも食事が取れるというので、そちらで遅い昼食にすることにした。


 画像はカニわっぱ飯。もっと海苔がかかっていたが、例によって撮影前にレナに食べられてしまった。
 D51お子さまランチなんてメニューもある。流石は碓氷峠。
 この休憩室の窓からは、中国の山水画のように裏妙義が見える。

 敷地内に小さな公園があり、ローラー滑り台などあったので、帰りがけに遊んでいくことにした。


 小雨がぱらついてきた。
 そろそろ楽しかった群馬ともお別れして、帰らなくてはならない。



 帰りがけに、隣接した碓氷峠くつろぎの郷のコテージの横を通ると、畑の真ん中に電車が…。碓氷峠らしい一コマだった。
 そして高速に乗って一路、東京へ。気がつくと大粒の雨が窓をぬらしていた。

おしまい


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