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榛名湖日記アンコール3-5


5.嬬恋村郷土資料館

 嬬恋村郷土資料館は、浅間山の噴火と嬬恋村名産のキャベツの二つがテーマのようだ。
 天命三年8月5日、晴れて静かな朝だったそうだ。誰もがその後に訪れる悲劇のことも知らず油断していたその日、昼前の11時ごろ、突如として浅間山は大量の火砕流を噴出し、麓の鎌原村(かんばらむら)を一瞬にして飲み込んだ。
 轟音は京の町まで響き、吾妻川に流れ込んだ土石流は利根川にも達し前橋まで流れ着いたそうだ。
 村はずれの高台に建つ延命寺の観音堂に逃げ込んだ93人だけが奇跡的に生存した。
 彼らは離散する道を選ばず、妻を失った男性は、夫を失った女性を妻に迎え、子を失った親は、親を失った子と養子縁組をし、新たな家族を構成し、村の再建を行った。
 そのときの溶岩が固まり、鬼押し出しとなって今も残っている。

 浅間山が活火山であることは知っていたが、そんな歴史があることは知らなかった。
 資料館は鎌原村のあった場所に建てられている。
 ここの三階から遠く浅間山が望めるが、今は静かな白い山は、たおやかな姿を見せるだけで荒々しさは感じられない。

 キャベツの方は、うさぎの人形など使ってザワークラフトの調理法を紹介したりしているが、浅間山の悲劇の歴史と一緒に見せられると、どうも浮いて仕方ないのである。


嬬恋村郷土資料館は、悲劇のあった鎌原村の跡地に建っている。
浅間山の方向は逆光になってしまって上手く撮れなかったので、これは別の山。 郷土資料館の三階は展望スペースになっている。
左の画像もそこから撮影。




3-6.帰りがけに、つま恋温泉へ続く


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