◆◇夏休み函館紀行◇◆
母娘函館観光旅行記
函館山ロープウェイの山頂施設は3階建てで、その上に屋上展望スペースがある。
ロープウェイを降りるとガラス張りの施設内のスペースがあり、一応そこでも夜景を見ることはできる。
既に混み始めていて、このまま人の流れについて屋上展望スペースに行っても最前列が取れるのかよく判らなかった。
そこで子供たちは室内に残し、自分だけで屋上に上がってみることにした。
列をなす人の後ろについて階段を上がると、屋上はそこそこの広さがあり、まだ思ったほど多くの人はいなかった。
とりあえず手すりのある最前列に陣取り、子供たちに電話する。
そうしている間にも、次のロープウェイが山頂に到着し、大勢の観光客がぞろぞろと降りてくる。
山頂は風が冷たかった。
子供たちを待っている間にもどんどん展望スペースの客は増えてきた。
子供たちがやってくる前に最前列はほぼ満席になりそうだ。
見下ろす函館の街は地図で見るそのまま、両側から海の迫るくびれになっていて、平らなそこにぎっしりと建物が立ち並んでいる。
ビルはみな西日を浴びて輝く。ちょうど私たちの背に太陽が沈んでいこうとしているからだ。
街並みのはるか向こうは緩やかな山地で、特に港を挟んだ左の奥には鋭角の特徴的なシルエット。あれは今朝まで近くにいた大沼の駒ヶ岳だ。
反対に右手の海を見れば、海の上に黒々とした三角の影。あれは今いる函館山の影だ。
空は晴れているが雲もまた。
時折函館山をかすめる早い雲が数秒霧のようにすっぽり全ての景色を隠す。
風が強いのだ。
振り返るとぎらぎらと輝く太陽が今度こそ完全に沈もうとしている。
ビルに反射する西日もまもなく姿を消す。
夜景タイムまであと少し・・・。