5.いのしし肉をゲットせよ
蔵の湯の効能には、眠くなるというのがあるのに違いない。
この先の道行き、眠いこと眠いこと。
「パパ、のどが渇いた、どっかの自販機で車を停めて」
「いのしし肉を買うまで駄目」
「じゃあ寝ていい?」
「駄目に決まってるだろ」
パパは前回
中津川に行く途中、秩父の町中でいのしし肉を売っているところを見かけたというのだ。
それを見つけないと今夜のメインディッシュは無し。
二人して車の中から目を皿のようにして両側に立ち並ぶ店を探す。
ごく小さな肉屋を見つけた。
パパがあれかもしれないと、道を戻る。
ちょうど秩父市の庁舎の正面ぐらいだろうか。みよしと言う名の肉屋のウィンドーに並ぶ商品名は豚、牛、鶏・・・いのししとは書いていない。
だが隣に同じ名前の食事処があり、「いのしし鍋」の暖簾が。
これはいけるかも。
しかしパパのいのししに対する嗅覚は凄いな。
100g、680円。
200g購入。
焼き肉にしようと思っていたが、店の主が「鍋だ、鍋」と、鍋用に切ってくれたので、いのしし焼き肉と芋煮鍋のメニューは急遽変更、ぼたん鍋がメインディッシュと決まった。