みなさん、こんにちは。前回は氷河融水の滝の迫力に圧倒されたところまででした。これからまた、ホテルのあるラウターブルンネンに戻ります。
再び黄色いPTTバスに乗って、雨に煙る谷間をラウターブルンネンに帰る。ただし、駅前まで戻ってしまわないで、通りの最もにぎわっているあたりで途中下車することにする。
3つ星のホテル、ユングフラウとか、オーバーラントとかが並んでいるあたりだ。ディパックを背負った観光客の姿もちらほら。目はついついっと時計屋さんのウィンドーへと吸い寄せられる。
実は日本を発つ前にダンナと約束したのだ。私もダンナも8月生れで、今回の誕生日プレゼントは9月に行くスイスでお互い1回ずつ「おねだり権」を行使しようと。
私の「おねだり品」は、もう既に決めていた。腕時計を2つ持っていたのだが、一つは先日、電池が止まり、もう一つはスイスに行く直前の神戸出張の六甲の霧で、文字盤の内側が結露してしまったのだ。これは、新品の腕時計をねだれという神のお告げに違いない。
しかし、そんな私の思惑などついぞ知らぬダンナは、「早く行くぞ」とせかす。でも〜、どれがいいか決まらない。スーツに似合いそうなシンプルなやつもいいし、これでもかとスイスらしさを前面に押し出したタイプも捨てがたい。え〜ん、悩むよ〜。
しかしまだ他にも時計屋さんをのぞく機会はあるだろう。今回はあきらめて先へ行く。おおっ、coopだ。入ってみよう。
私たちは外国のスーパーが大好きだ。安い日用品の中に、日本では手に入らないもの、その国らしさが出ているものが、探すと沢山売っている。野菜とか果物も、見慣れているものから、見慣れていないもの、形は見慣れていながら見慣れない色やサイズのもの、いろいろあって楽しい。母はオレンジを買い込む。これは後にオーバーワルトからブリークへ向かう列車の中で、私たちの胃袋に収まることになる。
ちなみにスイスでスーパーといえば、ミグロの名前が挙がるが、私たちはついにミグロに入る機会がなかった。ミグロの代わりに各地でcoopは利用させてもらったし、違う名前のスーパーには入ったが。
最後に店頭にカラフルな板チョコの並ぶお店に入った。スイスのチョコは種類が豊富で嬉しい。ミルクチョコレートとオレンジの入ったチョコレートを選ぶ。お店の中に入ると、ダンナがおかしなものを見つける。
「見て見て、ラッキョウだ」
た、確かにラッキョウのようなものが、瓶詰めになっている。
「すごいな〜、スイスでラッキョウを売っているとは」
ちょっ、ちょっと待て。それは危険だ。ど〜んなに外見がラッキョウに似ていても、それは決してラッキョウでだけは無いと思うぞ、私は。
しかしラッキョウを見つけたことで驚喜しているダンナは聞かない。
知〜らないっと。
結局ラッキョウに似て否なるそれは、小タマネギの酢漬けであった。ホテルに戻って一口食べて、きゅーっと口をすぼめるダンナ。
小タマネギの瓶詰めは、その後私たちと行動を共にし、ゴルナーグラートでは気圧の関係か液漏れするなど苦労をしたが、日本に帰り着く前に全て責任をとったダンナのお腹に消えたのである。やれやれ。
ううーん、なんとホテルのディナーまで辿り着きませんでしたね。でも次回は9月2日の最終であることは間違い無しです。この時点では私たちはまだ、スイスに着いてからまともな食事を口にしていません。ディナーへの期待は高まるばかり。乞うご期待(しないで〜)。
ところで話は戻りますが、トリュンメルバッハのパンフレット等の写真は、妙に迫力のある白黒と決まっています。でも、あの滝の魅力は、一ヶ所から撮してもわからない複合的なもので、その意味では、レトロなポスターに描かれた絵の方がよく表現していると私は思います。レトロなポスターを絵葉書にしたものは、トリュンメルバッハに限らず各観光地のものがあり、気に入った私は旅行中けっこう集めました。トリュンメルバッハのものも2種類買いました。特にインターラーケンには各地のものが揃っており、集めてみようかな…と思う人にはお勧めです。逆にツェルマットではみかけなかったので、ツェルマットの分もインターラーケンで買っておいてよかったと思いました。そのほか、グリムゼル峠ではローヌ氷河のものを、ポントレジーナではポントレジーナやサンモリッツのを売っていました。写真の絵葉書よりちょっとお高い1SFですが、いい記念になります。