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** ケアンズと森とビーチの休日 **

17.Bちゃんとカニ




 




 いつの間にかBちゃんも砂浜に来ていた。
 学校が終わったので遊びに来たのだろう。
 いつものようにカナとレナはつかず離れずの微妙な距離を置いている。
 間にあるのは言葉の壁と性格的なもの。
 前にファームステイしたアイカンダパークで出会ったセイラとロッキーはとてもフレンドリーで積極的だったが、Bちゃんはとにかく恥ずかしがりやだ。そしてうちの娘たちも。

 カナとレナがせっせとポケモンの城を作っている間、Bちゃんは波の引いた浜で何かを拾っている。小さな玩具のバケツに拾ったものを集めている。遠目には泥のようにしか見えないが、砂の中に埋まっている何かを探しているらしい。
 パパが聞いた。
 何をしているの?って。
 するとBちゃんはバケツの中を見せてくれた。
 最初は茶色の泥が入っているようにしか見えなかったが、よく見るとそれは泥の中に埋まった指先に乗るくらいの小さなカニだった。





Bちゃんが教えてくれたのは、ちっちゃいカニの捕まえ方だった



 Bちゃんはカナとレナの近くまでやってきた。
 パパがポケモン知ってる? と聞くと、恥ずかしそうに肯いた。
 「えっ、ポケモン知ってるんだ」カナも吃驚した顔でBちゃんを振り返った。
 「これは判る? これはピカチュウ」
 Bちゃんは知ってると言う。
 「じゃこれは? フシギダネとニューラ」
 Bちゃんは手の平を上に向けて肩をすくめた。
 「ミュウは? マナフィは?」
 また肩をすくめた。ピカチュウ以外は判らないらしい。
 でも何となく子どもたちの間に交流らしいものが生まれた。
 「で、どうやってカニを捕まえるの?」
 Bちゃんに聞くと、教えてくれた。
 波が引いた後の砂を見て、色が変わっているところを探す。
 茶色の砂の中に、褐色の部分を見つけたら、その中にカニが隠れている。
 さあみんなでやってみよう。

ウォンガリングビーチから見えるあの島影はヒンチンブルック島





10-18キャッチア・リトル・リトル・クラブへ続く


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