最近夕御飯の後は、パパは毎日バルコニーの寝椅子でうたた寝している。
風邪を引くからと起こしながら、「ねぇ、今回は星空を撮影しないの?」と聞いてみた。
大学で地学愛好会会長だったパパは天体写真が得意のはずだ(参考 パパの
簡単!
オーストラリア星空天体写真撮影術)。
「せっかく新しいカメラを持ってきたけどキヤノンPowerShot S3
ISは露出時間が長くても数分しか設定できないから天体写真は無理だよ。最低15分は開けっ放しにできないと。それに毎晩月が明るすぎて星は撮れないよ」
確かに毎晩、月は明るい。
旅行を初めて最初の頃は夕方から中空に白い月が昇っていた。
月の昇る時間はだんだん遅くなってきて、今は暗くなってから昇り明け方まで残っている。
パパは星は撮らないと言いながらカメラを持って何か撮りに行ってしまった。
なかなか戻ってこない。
しばらく待った後、痺れを切らして自分もビーチへ出てみた。
暗闇の中、波の音が近く聞こえる。
風が冷たくなっていて、長袖を着ていても寒く感じた。
ダンク島の真上、中空に冴え渡った光を放つまんまるな満月。
月は一等星を従えて、天の川はビーチ背後の山からダンク島まできらきらと流れている。
怖いくらいの月夜だ。