** ケアンズと森とビーチの休日 **
9.海岸で出会った不審な人物
午後の海岸は誰もいない・・・。
いや・・・一人だけ。桟橋の向こうから誰かが歩いてくる。
この辺りは宿泊施設も娯楽施設も何も無いけどお散歩している人だろうか。
桟橋の北側にはもうウォーキングトラックのコースのようなものすら無いはずなのに。
私が海の写真を撮っていると、その人はだんだん近づいてきた。
普通に歩いているように見えて結構足が速い。
桟橋の下を潜って波打ち際を歩いている。
私はフェリー乗り場のオフィスから砂浜に足を踏み入れたばかりだったので通過していったその人とは距離が開いていた。
何だかちょっと不審な出で立ち。見た目は・・・痩せていて背が高い。そう、サッカーのラモスみたいな風貌で髪はぼさぼさ日焼けして服装はカジュアルと浮浪者の中間ぐらいだ。
その人は歩きながらどんどん海の方に入っていった。
な、何をしているんだろう?
何かを拾っているように見える。
それからその人は湾の外れまで来ると立ち止まり、また何か妙なことを始めた。
私は迷っていた。
どうやらウォーキングトラックの入り口は、あの不審な人物が何かしている辺りにあるらしい。
あの人がさっさとコースに入って歩いていってしまえば向こうの方が足が速いから何も心配はないが、こうして入り口で立ち止まっていられると、私はあのすぐ横を通らなくてはならない。
どうしよう、どうしよう。
ほんの数分待ってみたが、その人は何かをするのに夢中で歩き出す様子はない。
こちらの時間も限られていることだし・・・。
仕方ないので歩き出すことにした。
幸いコースの入り口とその人がいる場所とは数メートル離れている。なるべくあちらを見ないようにしよう。
で、でも何をしているのか気になる。
ちらっと横目で見ると、大きな岩がある場所で何か刃物を出して力一杯振り下ろしている。ガツッガツッという音が聞こえる。
こ、怖いよ~。
どうかこちらを見ないで。
早く通り過ぎてしまわなくちゃ。
正面の森の真ん中ぐらいにウォーキングトラックの入り口がある
えーとね、入り口はこの中心からちょっと左側よりのところ。
で、その人物がちょうど画面中央ぐらいで何かやってる。
拡大してみたから、画像をクリックしてみてね。