** ケアンズと森とビーチの休日 **
 それからパパは大きな魚がいるところを見つけたからおいでとみんなを呼んだ。
 左側に広がるリーフを右回りに進むと、三段テーブルになった未来都市のようなすごい珊瑚があって、その近くの深くなるところに大きな魚が沢山群れているのが見えた。
 大きな魚の群を観察しているのか、ダイビングの一団も近くに沈んでいた。
 凄いなぁ、本当にこのリーフはいろんな魚がいる。
 私は夢中でシュノーケルを続けていたが、子どもたちはまた寒くなったと言い出した。
 パパが二人を船まで連れていき、上がらせた。
 しばらくして私が船に戻ってみると、子どもたちもパパもすっかり体を拭いて乾かしていた。
 「もう入らないの?」
 「ママは時間まで泳いでいていいよ」
 えっ、本当に?
 寒がりのはずなのに、シュノーケルを始めると寒いことを忘れてしまう。
 残された時間はそんなに無いと思うので、ぎりぎりまで海の中にいることにした。