なかなか出てこないのに業を煮やしたのか、運転席のお姉さんは車を降りて迎えに行った。
慌てて荷物を抱えてお姉さんと一緒に出てきたのは、大ぶりなサングラスを掛けた若い女の子。どうやら一人でクルーズに参加するらしい。
ワゴン車はウォンガリングビーチから
ミッションビーチに移動し、メインストリートを越して右に曲がった。
ここは・・・桟橋じゃない。
桟橋はもっと先、左手に見えている。
ここはクランプポイント。
岬の先端にある公共のボートランプだ。
ボートランプというのは、よくオーストラリアの地図では坂道を後ろ向きにボートが降りていく図柄で示されているが、要するに道路がそのまま海中まで伸びているようなもの。
正しくは(たぶん)パブリック・ボート・ラウンチング・ランプ。
釣り人などがそこまで自家用車でボートを引いてきて、そこから海や湖や川にボートを降ろすためにある。
見るともう湾内には私たちが乗るカリプソII号が停泊している。どうやってあそこまで行くんだろう。
そう思って辺りをふらふらしながら待っていると、なんとゴムボートに毛の生えたようなモーターボートが、このボートランプ目指してゴゴゴゴゴとやってくるではないか。