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** ケアンズと森とビーチの休日 **

4.口げんかとアイスクリーム




 




 ウォンガリンガのプールには、ちょっとした浮き具、スコップとバケツ、ビーチボールなどは用意されている。
 一昨年はロラリーにそのバケツはビーチに持っていってもいいわよと許可をもらったので海岸の貝拾いなどに使わせてもらった。
 これらプールの備品の中にヌードルと呼ばれる浮き具がある。ビート板のような発泡素材でできた1メートル半ぐらいの細長い棒で、通常は両脇の下に挟んで泳ぐのに使う。
 一昨年はこれが何本かあったのだが、今年は紫色のものが一本しかなかった。
 三日前はカナとレナがそれを半ば取り合いながら使っていたのだが、どういうわけか翌日見たら半分にぽっきりと折れていた(私たちが折ったわけじゃない、念のため)。
 私なんかは二本になったから喧嘩しないで使えるじゃんと思うのだが、子どもたちにしてみれば壊れているから使いたくないということらしい。
 結局他の道具を取り合って罵り合いの口げんかを始めてしまった。

 私たちの隣の部屋の日本人一家は昨日のうちにシドニーに発ってしまい、今は空き部屋になっている。
 日本人一家の借りていた部屋の下は、ちょうどプールの入り口に一番近い部屋なのだが、ここは3組ほどの老夫婦グループが借りている。
 老夫婦のうち旦那さん方はよくビーチのベンチに座ってくつろいでいるが、奥様方は部屋の前のオープンエアの席でおしゃべりしたり本を読んだりしている。
 せっかくのんびりと本を読んでいるところ、うちの娘たちが喧嘩を始めてしまってごめんなさい。
 ソーリィと言いながら、まだああでもないこうでもないと相手に文句を言っているカナとレナをそれぞれ別々に部屋に連れ帰った。
 奥様方は、いいのよいいのよ、子供のことだしと口々に言ってくれた。
 姉のカナは姉なのだから自分が先にいいものを取る権利があると思っている。
 妹のレナは妹なのだから何事も小さい子権限で優先させてもらう権利があると思っている。
 お互いがお互いの主張を認めない。
 お互いがお互いの気持ちを考えない。
 少し頭を冷やした方がいい。
 貸し合って使えば楽しい時間も過ごせるものを、いがみ合って使えば嫌な気持ちだけが後に残ることになる。





 「アイスクリーム食べる?」
 パパが先日タリーのスーパーマーケットで買ってきた1Lパック入りのアイスを出した。1Lもいらなかったのだが、これが一番小さいサイズだったのだ。
 「いらない」
 カナは元々アイスは好きじゃない。
 母が甘いものの味を覚えさせるのは1歳を過ぎてからと全然あげなかったせいか、ほとんど甘いものに興味を示さない。
 一番嫌いなのはチョコレート。
 生クリームは嫌いじゃないけど甘すぎると感じるらしく、ショートケーキを半分も食べればギブアップ。
 そのくせあんこときなこだけは例外的に目が無いという純和風の変わり種。
 同じものを食べさせて育てた姉妹なのにカナとまったく正反対なのがレナ。
 こちらは甘いもの和洋中華オールOK。
 甘いものを食べているときの至福の顔は見ているこちらまで吹き出すほど。
 どんなにお腹がいっぱいになっても「別腹」は常に空けてあるらしい。
 「アイス食べる食べる」当然レナは飛びついてくる。
 しかしパパ、本当に滞在中に1Lも食べられるの?



なかなおりしようよ





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