** ケアンズと森とビーチの休日 **
私たちが席で飲んだり食事をしたりしている間、他の人たちはほとんどビーチの方に行ってしまったが、一組だけやはりレストランで休んでいる人たちがいた。
いかにもリタイヤ後の人生を楽しんでいますという雰囲気のオージー老夫婦だ。テーブル席ではなくソファの方に座って飲んでいるらしい。
売店でお土産のポロシャツを買いたいらしいが、旦那さんがLLサイズなので奥さんは次々とサイズ違いのものを持ってきては大きさが合うかしらと背中に当ててみていた。ポロシャツは胸にジュゴンのマークが入った、このヒンチンブルックエクスプローラーのスタッフとお揃いのものだ。
奥さんはやっと旦那さんの体格に合うサイズを見つけたらしく、今度は旦那さんの着ていた服を脱がせて買ったばかりのポロシャツを着せていた。旦那さんは為されるがままだ。
それが一段落して旦那さんが私たちの席にやってきた。
ビデオの録画が上手く行ったので見てほしいと言う。
ボタンを押すと、さっきのスライの餌付けの場面が始まった。
スライが何度も水面に顔を出しては餌に食いつく場面が写っていた。
私たちが桟橋に行くのが遅すぎて、最後の一回しか見られなかったが、実は何回もスライは顔を出していたらしい。
旦那さんのおかげで私たちもその様子を見ることができた。
「どうですか?」とにこにこと旦那さん。
「どうもありがとう、見せて下さって」
こういう交流もちょっと嬉しい。
子どもたちはプールで遊ぶのにもすぐ飽きてしまって、食後の私たちがビーチに行くと言うとしぶしぶついてきた。
「海はもう入らない」
「はいはい、お好きなように」
レストランの階段を降りるとオーキッド・ビーチ。
先ほどフェリーが桟橋に着く前にぐるりとビーチの前で一周したが、確かにここはそのとき見えていたビーチだった。
木製のランチョンマット
子どもたちが拾ってきた貝や珊瑚を並べた