ところが町の南にあるポート・ヒンチンブルックにやってくると雰囲気は一変する。
マリーナという響き自体が既に高級感を持っているのだが、それにしても例えば
ポートダグラスのマリーナは高級さとともに結構オンボロ船が停泊していたりして親しみやすさを感じたが、ここは何もかも綺麗に整って取っつきにくさを感じるほどだった。
あまりにも町の雰囲気と違う。えらくお金の臭いのするマリーナだ。
整然と椰子の木が並ぶ広々としたエントランスを進んでいくと、うっかり別荘の分譲地の方に迷い込んでしまった。
この辺りはまだ未完成のようだ。
これからあと数年のうちに、もしかしたらカードウェルの町自体が変わっていってしまうのかもしれない。
マリーナの駐車場に車を停めたのが8時40分。
ちょうどウォンガリンガから1時間掛かってしまった。受付はもう始まっているはず。出航時間は9時だ。
急いで子どもたちを降ろす。バスタオルやシュノーケルセットを積んだビーチバッグも降ろす。
私たちは水着を着て、その上にリゾート風の服を着ていた。昨日のお隣さんのアドバイス通り。足下はマリンシューズ。
受付の横にはジュゴンの像があり、受付の看板にもジュゴンが描かれている。
ヒンチンブルック島のマスコットは人魚のモデルになった海に住む哺乳類ジュゴンだ。
ジュゴンは決まった海草しか餌にしないため、生息海域は限られる。世界のジュゴンの大半がオーストラリア沿岸に生息し、日本では南西諸島のごく一部にのみ生息している。
以前、
沖縄のカヌチャベイ・ヴィラズに泊まったとき、東海岸の大浦湾が貴重なジュゴンの生息域であることを知った。
米軍基地の移転問題に絡んで、「ジュゴンを守れ」というプラカードもあちこちで目にした。