** ケアンズと森とビーチの休日 **
ゆっくりと太陽が昇ってきた。
一直線に海面上に光の道ができる。
薄雲でにじんだ太陽は、少しずつ水平線から離れて辺りの椰子の葉を暖かい色に染めた。
今日の予定は何も無し。
本当に何も無し。
私に決定権を与えたら、今日はあっち明日はこっちと走り回るけど、パパはのんびりしたいし、子どもたちはプールがあればそれで幸せだから。
朝ご飯はバルコニーで食べた。
ウォンガリンガのバルコニーは木立越しに海が見える。
「なんか、一昨年よりも見晴らしがよくなった気がしない?」とパパが言いだした。
「9号室の方がせり出していて海に近いからそんな気がするんじゃないの?」
「いや・・・例のサイクロンでかなり木が倒れたんじゃないかな。そんな気がする」
まさか・・・と思ったけど、昨日パパがロラリーに聞いた話では、サイクロンは凄まじく、プールの所まで水に浸かったとか、漂着物が大量に流れ着いて清掃が大変だったとかいろいろあったそうだ。