** ケアンズと森とビーチの休日 **
16.旧パルマーストンハイウェイとレーベンスホーの風車群再び
パイだけは食べきれず、車の中に持ち帰った。
ウォンガリンガに着いてから食べてもいいと思っていたが、車中で子どもたちが食べてしまったようだ。
パパが間に合わないかもしれないなんて言うから気が焦る。
同じ道を通るときは行きより帰りの方が早く感じるものだから、あっと言う間にレイベンスホーまで着いた。
レーベンスホーからミラミラまでは2種類のルートがある。
一本は行きに通ったパルマーストンハイウェイとケネディハイウェイを使う北側ルート。
もう一本は旧パルマーストンハイウェイを使う南側ルートだ。
地図で見る限りは多少は旧道の方が道がくねくねしているが直線距離にしたら近そうだ。
せっかくだから行きとは違う道を通って帰ろうと思っていた。
旧道の方にはパピナ滝やソーイタ滝といった見所も多い。
旧道に入る曲がり角は行きに確認しておいた。
入り口の表示に「シーニック・ロード」だと書かれている。
なんとなく期待できそうだ。
道はきちんと舗装されているが細い。
対面通行が難しいような細さで、しかも蛇行している。
蛇行しているところがいかにも旧道らしい。
緑色の丘を縫うように伸びているところは、如何にも絵に描いたような田舎道で晴れた日の午後のドライブには最適だった。
旧道に入ってすぐに風車群が見えてくる。
行きにも見たウィンディ・ヒル・ウィンドファームだ。
さっきのハイウェイ沿いの方が風車には近い場所を通るはずだが、こちらの旧道の方が風車の眺めも断然良い。
何しろ風車が前向きだ。それに田舎の一本道や緑の丘越しに並んでいるのが見えて、レイアウト的にもばっちり。
おまけに最新のクリーンエネルギーを生み出す巨大で近未来的シルエットの風車の足下で白黒のホルスタインがねそべっていたりして不思議な光景だ。