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** ケアンズと森とビーチの休日 **

13.インノット温泉の源泉探索




 




 橋の上流側は広い河原になっている。
 河原というか、足下は砂地だ。
 そこを巾1mほどの乳白色の小川が流れていて、対岸は森だ。
 砂地の河原をぞろぞろと歩いていく一行がいる。子連れのグループだ。もしかしてこの人たち、河原で入浴するの?

 ・・・うんにゃ。
 なんかお弁当を広げだした。どうやらピクニックしているらしい。
 これは益々河原で入浴というのはハードルが高くなったぞ。
 呑気にランチしているオージーたちの目の前でぼっちゃんと入浴なんかしたら、もう思い切りいい見せ物になってしまいそうな気がする。

ぞろぞろと歩いているのは入浴客ではなくピクニック客だった



 さて、確かにこの辺りの川の水はかなり温かい。
 さらに歩くと小川に木の枝を渡した誠に原始的な橋があり、その向こうに源泉湧出所があるようだ。
 タンクがあってちょろちょろとお湯が溢れている。浅いところでちょっと触ると確かに少し熱い。
 タンクには金網が張ってあってWARNING HOT WATERと書かれている。

 ただ不思議なのはそのタンクよりも上流から既に川の水が青白く濁っていることだった。
 この水の色は温泉成分によるものなのかよく判らない。
 おまけに河原の川のそばにはところどころ水たまりのようになっている場所があって、これがまた源泉タンクから溢れるお湯以上に熱い。
 どう考えてもここは河原のあちこちから温泉が湧いている。源泉湧出箇所は一ヶ所だけではないようだ。

 パパはいったん車の所に戻った。
 どうするつもりだろう。
 私はできればあの河原で野湯入浴じゃなくてインノット・ホットスプリングス・ビレッジ内でちゃんとした浴槽(水着着用だと思うが)に入りたい。
 だって河原は景色が良いけど落ち着かないよ。道路から丸見えだしギャラリーもいっぱいいたよ。

 パパはやにわに水着に着替え始めた。
 「どうするの?」
 「入るよ」
 えっ、あそこで!?
 「わ、私は・・・?」
 「やめなって。俺が代わりに入ってやるから」
 後でパパは「入ればって言ったのに自分で入らなかったじゃない」なんて尤もらしいことを言っていたが、とんでもない。このときの真実はこういうことだった。

温泉の流れる川の上流。河原には水たまりのような場所もある。


すごい色だなぁ。


誰かが掘ったのか? 実はこれも下から湧いている源泉


ここは透明だ。鮮度良し。


いいかげんな橋を渡ると向こう岸に源泉タンク


熱湯危険と書いてある。


タンクから出る源泉。


溢れた分はそのまま川へ。





4-14インノット・ホットスプリングス野湯体験へ続く


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