マランダからローズガムズまでは30分程度。
もう夜なので景色は見えない。
食事中にローズガムズの話が出て、willieさんが興味を持っているようだったので、送ってもらうついでに部屋の中を見てもらおうと思っていた。
今はもう暗いから昼間どんな景色が見られるのかは判らないまでも、部屋の作りや設備などは判ると思う。
到着してドアを開けた。
「良かったら入ってみて下さいよ」
自分の家じゃありませんが。
willieさんはへえーと言いながらリビングに入ってきてくれた。
暖炉を見て、これは火を付けるの結構大変なんですよねと言っている。
「バルコニーからは森を見下ろすようになっているので上からだと鳥がよく見えるんですね」
「そうでしょうね」
「ちょうど目の前に一本花の咲く木があって、よくそこに小鳥が来るんですけど・・・」
そう言ったとき、後ろから来たパパが何かを拾った。
「・・・」
バルコニーの片隅に落ちていたのは、手の平に乗るくらいの小さな小鳥だった。
ぴくりとも動かない。
「・・・コキミミミツスイですね。今日森で何度も鳴き声を聞いたミツスイの仲間です」
窓硝子にぶつかってしまったんだ。
私たちが出かけている間に窓硝子に激突して死んじゃったんだ。
朝もキッチンの窓にぶつかってしまった鳥がいたけれど、この小鳥も、たぶん硝子があるとは知らず、真っ直ぐ森から飛んできて・・・。
可哀想に。
手の平の小鳥は傷一つ無く目も開いたままで、まるで今にも飛び立ちそうに見えた。
もう動かないことが私には信じられなかった。
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