4.ミッションビーチお勧めアクティビティはなぁに?
それからプールサイドの管理棟に寄った。
いろいろ聞きたいこと、申し込みたいものがあったので。
今日の担当は姉御肌のロラリーだった。
「今日は何のご用?」
昨日、共同管理人のウェンディにお勧めアクティビティをいろいろ教えてもらっていた。
「ジョンストンリバー・クロコダイルファームは?」
「行ってきたよ」
「じゃあ、
パロネラパークは?」
「一昨年行ったことがあるんだ」
「エンジョイした?」
「うーん・・・」と肩をすくめるパパの横から
「もちろんエンジョイしたわよ」と私。
パロネラパークはパパにとっては蚊に刺されたばかりで良い思い出がないみたいだけど、私は満足した。
「あとは・・・これは?」と最後にウェンディが取り出したのは、Treat
yourself or a loved one
today.と書かれた洒落たちらしだった。
パパは一目見るなり
「トゥーエクスペンシブ!!」
パパは高すぎるとけんもほろろだったが、私はたのむつもりでいた。
少し前から日本でもオーストラリアのスパは大人気だ。
ケアンズ周辺でも、パームコーブのアンサナや、ディンツリーのシルキーオークスロッジあたりは特に評判が良い。
ミッションビーチにも何かしらそういった施設があるのではないかと思っていた。
これなんか良さそうじゃない。
だから今日、ロラリーにお願いしようと思って管理棟に来たのだった。
「このちらし」
「うん、マッサージね」
コースは30分、45分、60分、90分、2時間と5種類ある。
ロラリーは「60分の全身コースがお勧めよ」と言った。
「60分でお願い」
あまりの素早さにパパが目を丸くした。
そんなに吃驚しないでよ。
昨日の夜から実は60分コースにしようと心に決めてたんだから。
それからもうひとつ、今度は質問。
パパがカードウェルからミッションビーチまでの情報が掲載されている無料冊子で、地元の青空マーケット情報を見つけた。
ミッションビーチにはミッションビーチ・モンスターマーケットと、ミッションビーチ・マーケットの二種類があり、前者はイースターから11月までの月最後の日曜日に、後者は通年、第一土曜日と第三日曜日に開かれる。
私たちが滞在する最終日、明後日がちょうど第一土曜日に当たるため、開催場所を教えてもらおうと思ったのだ。
ロラリーはふんふんと冊子を見た後、Marks
Parkならここね、と地図にマーキングしてくれた。
ん? マークス公園?
そっちはモンスターマーケットの会場じゃなかったっけ。
もう一度聞こうとした所へ他のお客さんがやってきた。
私たちの隣の棟に泊まってる老紳士だ。
「お先にどうぞ」
ロラリーと老紳士が話し込んでいる間、棚に並んだラックのパンフレットなど物色してみる。
ミッションビーチ近隣のアクティビティに混じって、
ハートレーズ・クロコダイルアドベンチャーズや
ディンツリーとケープトリビュレーションのパンフレットなどもある。
ここからだとハートレーズに行くよりジョンストンリバーに行った方がずっと近いし、ケープトリビュレーションはいくら何でもあまりに距離がありすぎるんじゃなかろうか。まさか日帰りツアーなんじゃないだろうな・・・。
また、棚の上にこれまで泊まった客がコメントを残したゲストブックがあり、ぱらぱら見ただけでも年末に一組、去年のゴールデンウィークに一組、日本人の名前が記されていた。
ようやく老紳士の用事が済んだようなので、もう一度ロラリーに場所を確認してみる。
「ここって・・・」
「ああ、間違えちゃったわ。モンスターじゃない方はこっちだったわね」
早とちりだった。
それからロラリーは例のマッサージ屋に電話をしてくれて
「ええそう、今日なの。えっ、無理? じゃ、いつならいい?」
そしてこちらを振り返って、「今日はやっていないんですって。いつがいいかしら」と聞いた。
パパは「明後日の2時では?」と答えた。
「オーケー、明後日の2時ね」
ミッションビーチマーケットが開くのが明後日の土曜日だから、これは動かせない。
そしてこの日の午後にマッサージを入れた。
すると一日まるまる自由日として使えるのは明日のみ。
だから、その明日にはダンク島を入れることにしよう。
明日は晴れても降っても泣いても笑ってもダンク島だ。
これまであえて滞在中の予定はきっちり定めず、その日その日で空模様を見て行動してきた。
なんとなくミッションビーチでは、予定に縛られたくない気分だった。
だけど残すところあと二日半まで来て、ついに全部の予定をきっちり詰めることになった。
少し寂しい気がする。
部屋に戻るとき、ロラリーは子供たちにジグソーパズルを貸してくれた。
今日の空模様が不安定だから、雨が降っても楽しく遊べるようにと。
バービーとプーさんのパズルで、6箱もあった。