18.パラダイス・エステイト・ワイナリー
ミッションビーチのワイナリー、パラダイス・エステイトもこの近くにある。
カソワリー・ドライブからエル・アリッシュへ向かう道に突き当たって、左折、するとすぐ左手に看板が出ている。
さっき立ち寄ったムーダリング・ポイント・ワイナリーに比べると、ごちゃごちゃした印象の外観で、中はもっと狭くごちゃごちゃしていた。
入ると右手にショップとテイスティングのカウンター、左手には剥き出しでワインのタンクや機械が並んでいる。
カウンターには先客が一人居て、のんびりとテイスティング用のグラスを傾けていた。
恰幅の良い店員のお姉さんは、商売っけが無いのか「待ってて」も言わず、目の前のお客さんにだけ意識を集中している。
その間、仕方がないので棚に並んだワインを物色していた。
並んでいるのは、トロピカルレッド、トロピカルホワイト、レインフォレストレッド、レインフォレストホワイト、パラダイスゴールド・・・楽園リゾートらしい楽しげなネーミングと、熱帯魚やオウムを描いたカラフルなラベル。お土産にも良さそう。
5分以上待っただろうか。
ようやく先客のテイスティングが終わったようだ。
店のお姉さんに負けず劣らず恰幅の良いおじさんは、クリスマス・レッドというワインを買い求め、さらにつまみにチョコレートコーティングされたコーヒー豆まで買っていた。
そして嬉しそうにワイン瓶の入った臙脂の袋を下げて出ていこうとしたら・・・。
座席に自分のリュックが残ったままだった。
「おっと」
すぐに気づいて取りに戻ってきたが、おじさん、絶対飲み過ぎ。
カウンターにつくと、お姉さんがまずつまみの箱を出し、それからグラスを並べた。
先ほどのムーダリング・ポイント・ワイナリーや、去年寄った
ゴールデン・プライド・ワイナリーのワインがほとんど一種類のフルーツから醸造されたワインだとすると、このパラダイス・エステイトのワインはブレンドが特徴だ。
トロピカルホワイトはバナナ、ココナッツ、パイナップル、マンゴスチンのブレンド。甘いけど爽やか。これが一番気に入った。
トロピカルレッドはバナナ、レッドマンゴー、ドラゴンフルーツのブレンド、バニラオークで香り付けしてある。
レインフォレストホワイトはバナナ、ブッシュライム、マンゴー、柿のブレンド。
お姉さんは「ペンシモン、判る? KAKIよ」と言った。へえー、柿でワインを作るんだ。というか、柿がトロピカルフルーツかと聞かれると疑問だが。味は柿のせいかかなり渋い。
レインフォレストレッドはダビッドソン・プラム、ワイルドストロベリー、ブルーベリー、バナナのブレンド。フレンチオークで香り付け。レインフォレストシリーズは少し癖が強くて飲みにくい。
パラダイス・ゴールドはバナナワイン。これもフレンチオークで香り付けしてある。トロピカルホワイトについで飲みやすかった。
クリスマスレッドはお姉さんが「スイート」と言いながらついでくれた。本当に甘い・・・というかちょっと甘過ぎ。
結局トロピカルホワイトとパラダイスゴールドを一本ずつ買い求めた。
パパ曰く、「こっちのワイナリーはとにかく全種類味見させないと気が済まないんだな・・・」
ここで終わりかと思うと、まだまだ次から次へと出てくる。
おかげでほろ酔い気分になってしまった。
珍しい味がいろいろ楽しめて面白かったよ。