14.イニスフェイルでお買い物
歩いて角を曲がり、疲れたとぶつぶつ子供たちをなだめたりすかしたりしていると、見つかったのは倉庫のように巨大な店舗だった。
The Warehouseとある。
おもちゃ屋というよりホームセンターみたいだ。
中も広い。
巨大な倉庫にラックを積み上げたような店内で、食料品や台所用品、書籍・文房具など何でも売っている。
ここは整然と商品を陳列してあり、おもちゃのコーナーもちゃんとあった。
カナとレナが目を留めたのはプラスチックのドールハウス。
値段も7ドル程度とお手頃。
二階建ての家は、畳んで持ち運べるようになっていて、豆粒みたいな家具と人形がついている。
家は何種類かあったが、二人がほしいといったのは「サマーハウス」と書かれた家だった。
サマーハウスにはバルコニーとプールがついている。このバルコニーが気になるらしい。
親としては、二人でそれぞれ違う家を買えばお互い楽しく遊べるだろうと思うのだが、子供の考えは違う。
違う家を買うのは喧嘩の元なのだ。
仕方ない・・・同じ家を二軒、お買いあげ。
この店は本当はゆっくり見て回りたい。面白そうな日用品が沢山売っているから。
でも街の苦手なパパはもうお疲れ。
子供たちを連れてお買い物に回る気は全くなし。
それどころか、もう面倒なので外食もしたくないと言う。これがミッションビーチあたりのオープンエアの店なら喜んで外食するのに、とにかく町中でレストランを探したり、すぐに騒ぐ子供を連れてテーブルにつくのはご免だと言わんばかり。
気持ちは判るけど・・・お腹も空いてきた。
パパはスーパーマーケットにも寄らないといっていたが、そこを何とかコールズの駐車場に車を停めてもらった。
昨日覗いたミッションビーチとウォンガリングビーチの食料品店にはあまり品数が無かった。
私はどうしてもトロピカルフルーツがいろいろ食べたかったのだ。
「フルーツと牛乳とオレンジジュースと・・・他に何か買うものある?」と私。
「フィレ肉とソーセージをお願い」
「あと、何かテイクアウトできるものがあったら買ってこようか。ランチのために」
「じゃあサンドイッチでもあったら。あとコーラも」
イニスフェイルのコールズは大きかった。
ポートダグラスのコールズなら、もう何がどこに陳列してあるか判っているが、馴れない店では商品一つ探すにも時間がかかる。
パパは私が一人でスーパーマーケットに入ると一時間は出てこないと思ってイライラしているに違いない。
急がなくちゃ。
まずはフルーツ。
沢山あると目移りしちゃう。
パパイヤ、メロン、洋梨・・・マンゴーがほしかったけど、やっぱり季節外れで無いのかな・・・あっ、洋梨の中に三つあるじゃない。
それからこれこれ、これがほしかったの、カスタード・アップル。後ろから来た恰幅の良い奥さんが、うにうにとカスタードアップルを触って、熟し加減をみていた。うーん、どのくらいが美味しいか私にはよく判らないから適当に買っておこう。
意外にもマンゴスチンも売っていた。
この辺りではマンゴスチンは栽培していても滅多に売っていないと聞いていたのでこれも二つほどカゴに入れる。それにしてもマンゴスチンは破格に高い。
ソーセージは量り売りのを適当に頼む。フィレ肉はパックされているのを。
こちらの肉は硬めで筋があるが、フィレを選べば柔らかい。
牛乳もすぐあったが、オレンジジュースとコーラが見つからない。
広い店内を二周もしてしまった。
諦めてレジまで来たら、レジのそばに両方とも売っていた。
すぐに食べられそうなサンドイッチやハンバーガーみたいなものは見つからなかった。