10.カソワリーにもフィーディング
淡々と恐怖のフィーディングは続いていたが、カナとレナはもうワニはいいようだった。
ツアーの列を離れ、入り口のそばまで戻ると、右手に鳥小屋が見えた。
鳥小屋といっても小さいものではなく、広い敷地を金網で囲ってあるもの。
中には適当に小鳥から水鳥、エミューまでいるらしい。
柵の周りを歩いて、端まで来ると、あれ?
「クジャクだ・・・」
雌のクジャクが低い枝にとまっている。
柵の中ではない。
柵の外・・・。
なんで?
よく見ると、柵には大きな穴が開いていて、そこからクジャクは出てきたようだ。
何だかこの柵、あんまり意味がないような。
クジャクの雄は柵の中にいる。雌だけ勝手に出入りしているようだ。
柵の中を覗くと真っ青な首のカソワリーが近づいてきた。
流石にカソワリーは体が大きいので穴から外には出られない様子。
「カソワリーがいたよ」とカナとレナを呼ぶと、レナはいきなり手に持っていたカンガルー用のパンをちぎって柵の中に投げた。
すると、なんとカソワリーが寄ってきてパンを食べるではないか。
思わず笑っちゃった。
ここはカソワリーもパンが主食かい・・・。
カナもレナもミッションビーチでカソワリーには会っていないが、ここで思う存分カソワリーの餌付けをしてしまった。
お腹が空いていたのかカソワリーは、カンガルーよりよほどパンを食べてくれた。